はじめてのカザリン

東京に引っ越して、当然交通手段がとても便利になった。
普段電車やバスはほとんど使わないからそんなに恩恵にあずかっていないのだけど、なんせ遠出するにも他所を経由せずに大抵の土地へいけるのだからハードルが低い。
そのおかげか奥多摩をはじめ近場のサイクリングコースは意外と足が向かないまま。これは勿体無い!

思い立ったその日、ちょっと風張林道に行ってみた。




近場といっても奥多摩までは交通量の多い道なので、今回は京王線でショートカット。
八王子まで特急で1本。


今回は、コミティアでお会いしたサークル「脂華」さんのPEKOさんお手製超軽量輪行袋を使ってみた。
実は以前から横型タイプは持っていて去年の会津若松でも使っていたのだけれど、場所を選ばず置ける縦型の方が自分には合っていたので、新たに縦型も購入。

 

ボトルどころか背中ポケットの底に収まる小ささ。
袋単体で実測145g(個体差有り)は荷物に入っているのを忘れるレベル。

初めて購入したMARUTOの輪行袋はそれはもう頑丈で、北海道から東北一周までキャンプ装備のMTBを詰め込んで6年以上穴ひとつ開かなかった耐久性は折り紙付きと断言できる。


でも最近そういう輪行旅はほとんどしなくなって、ロードバイク一台を収めるには無用の長物という気がしていた。
ボトルケージを1つ埋めるか、毎回バッグを装備するか。輪行袋そのものというより、荷物を増やすための装備が増えてしまうのが悩みどころ。

特に引っ越してからは頻繁に輪行するようになったので「輪行袋小さくしたら絶対捗る!!」と気づいた私、とにかく身軽さに極振りした輪行袋を探す。

オーストリッチその他各メーカーから多様な製品が出ているなか「お手製」という回答にたどり着くとは当時の自分も思いもよらなかった。




「小さい!!!!!!!!!!!!!!!!」




薄くて軽い上に、ハンドメイド製品なのに市販品より安いから文句のつけどころがない。というか価格設定安すぎ問題。

今回はいつもと違った輪行を試すので養生用の手袋を用意。ひっくり返してそのまま収納袋代わりに。
袋と手袋と紐類合わせて173g、これにエンド金具を含めると300g台。


そして今回気づいた、薄手であることの意外なメリット。「畳みやすい」。

厚手だとちょっとした畳みのズレが膨らみになったりして畳み直すことが時々あった。
この輪行袋はジャージの布よりペラペラなので、小さくするのに拘らなければ適当に畳んでしまってもうまく収まってくれるのが非常に使いやすかった。

そんなに薄いと耐久性はどうなの?というのがやはり気になるところ。

多分これは他にレビューしている方も多いので詳しく書く必要はないと思うのだけど「必要十分」の一言に尽きると思う。
通常の使用ではそうそう破れず、収納性を犠牲にせずのピンポイントな強度を確保してる。


「絶対破れないよ!」まで言うと流石に嘘になるしこれより強度の高い製品はあると思う。
でも普通のシチュエーションで問題なく使用できるというのは誇張ゼロ。

買ったばかりの縦型袋に関しても、少なくともこの記事の奥多摩ライドと数週間後に荷物満載で出かけた五色沼キャンプで破損することはなかった。

では、普通じゃないシチュエーションって?
・袋を掴んで車重を支える
・どこかが挟まった状態で無理に引っ張る
・地面に接したまま引きずる
etc...

この辺をやり続けると穴は開く。けど、他の製品でもこれやってたら開く。
で、いままでの輪行袋でもこういう使い方はしてこなかったので、輪行袋を軽量化したからといって扱いに神経質になる必要はなく、トレードオフとしても圧倒的に黒字。

先に上げたMARUTOの輪行袋だと上に書いた運用でも耐えてくれるかもしれない。めちゃくちゃ頑丈。


メーカー品だと極端に軽量化した製品は出しづらい事情もあるのかこちらの輪行袋の需要は高く、通販サイトでも型によっては一瞬で完売する人気ぶり。

購入するには先ほどのリンク先で年数回販売している通販がひとつ。
そして都内にアクセスできる人であればやっちゃばフェス、コミティア等のイベントでもサークル「脂華」で同人誌とPEKOさんがイラスト・装丁を担当したツーリングガイドのほか輪行袋も販売されている。



と、個人的にとっても満足だったので、慣れない製品紹介を書いてみた次第でした。

ちなみに、いくら袋を軽量にしても縦型輪行袋では減らせないものがある。エンド金具。
普段であれば金具も持ち歩くのでもう少しだけ荷物が増えるのだけれど、諸事情で一時的にオーストリッチのエンド金具を手放していたので、以前Twitterで見かけた「エンド金具を使わない縦置き輪行」を試してみた。
(いつだったか何パターンかTLで見かけたんですが、それぞれどなたのツイートだったか失念……)



というわけで見よう見まねでやってみました、フォーク・ハンドル・タイヤの4点で支える方式。

一応カーボンフォークで本来と異なる荷重がかかるので気をつけたいところだけど、荷物抜きならこれといって問題なさそう。固定の方法次第でタイヤに荷重を分散できる気がするからちょくちょく改善してみたい。
何気にディレーラーが上にくるので、扉脇に置いても誰かの足が当たる心配がないというのは良さげ。



あ、レビューに書いてなかったけど紐が平型なのもコンパクトでとってもよいです。





長い前置きと試行錯誤を経て京王八王子スタート。

都内の輪行は人の少ない車両と駅構内のルートをいかに確保するかという戦いで、この駅は八王子寄りの車両に乗って西口改札を抜けるのがとても楽だった。時間帯のせいもあるけどほとんど人とすれ違わずにエレベーター1本で地上へ。



個人的にすごく気になるコンビニ発見。
「まさかオレハ…こんなところに……!!?」

と思ったら違った(知りたい人は"青森 オレンジハート"でググってね!)。








これでセミ鳴いてたら、完璧に夏。


3月末に多摩湖を走ってから既に一月以上まともに走ってなかった。
気がついたら夏の入口がそこまできている。
街中だと「暑くなってきたな」「雨多いな」以外で季節を感じる要素が少ないので尚の事、初夏。

ふと、何かが飛んできて頭上を通り過ぎた。


背中に回したままのカメラでとっさにシャッターをきったら、右中央に小さく写る鳥。
鳥影しか分からないけど、多分トビかな?

都内で見かけたのは今回が初めて。



到着!!風張林道のスタート地点。

この場所、下の道が奥(写真でいう手前側)が真っすぐ続いているように見えるので、Uターンして上の道へ入っていくことに最初は気づかずスルーするところだった。
写真を撮っていたら常連の自転車乗りが来たので改めてルートを教えてもらった。助かりました。



入り口からして既にそれなりの標高。
ここまで来る道もがっつりインナーに落としてのヒルクライムだったけど、ここからは息をするようにラスボス級の斜度が襲ってくる。



ルートラボの上ではごく短い平坦区間が平均を引き下げるので、まさか平均12%あるとは思わず36Tで来たのを次第に後悔するのであった。。。




またエンカウント!右手の木におサル。
この距離だと撮っても怒られないけど、結構ガン見してくるのでこわい。




さっき書いた通り想像よりキツい坂で、時々撮影という名目の休憩を挟みつつゆっくり前進。引きこもり明けにはすごく堪える……。
でも日差しがほとんど入らないから涼しい道だった。ずーっと林の中。ずーっと。

ずーっと林の中なので……標高が上がっても景観が…景観…が……。




絶景だあああああ!!!!ヤッター!!!!!!!!‎('ω' 三 'ω')ウワァァァァァァァァァァ






開けた場所からほどなく山頂。

林道の「頂上」はこんな感じでゲートになっているので一発でゴールだと分かる。
ゲート脇の歩行者通路から奥多摩周遊道路へ抜けると風張峠。



感慨に浸る間もなく、脚も使い切って補給も切らしていたのでまた近くの自転車乗りの人に最寄りの自販機を尋ねると、ここから左へ曲がって下ると都民の森まですぐだよと教えてくれた。

尋ねなければ右へ曲がりそうだったのはここだけの話。





食堂でお蕎麦を注文すると、いつの間にか突っ伏して寝落ちかけていた。



「牛丼かけそばセットお待ち!!」
ガバァッ!!!!!!!!

ごはんの一声で跳ね起きたら店のおじさんが笑いを堪えていたのもここだけの話。




自分に優しくした結果がこちら。
お腹いっぱいになったし脚もいい感じにすり減ったので、帰路は峠を減らして短縮ルートで帰ることにした。
またリベンジしにこようっと。





よく「都内も奥多摩は山しかない」みたいな話を聞いてあまりピンと来ない自分がいた。
実際行ってみると確かに山の中だった。そして、都心と里山がここまで隣接しているのは奥多摩ならではの不思議な感じ。
まだ一度しか訪れていないから、ほんのちょっとしか知らないのだけど。

またちょくちょく走りにこよう、今度は奥多摩湖あたりに。



コメント