グラベル導入までのあれこれ / Wilier JENA

「グラベルロードが欲しい!」
去年の秋頃からそんな気持ちが芽生えつつあった。
キャンプもしたいし荒れた道も入りたいしそこそこ長い距離も走りたい。
そんな罰が当ってしまいそうな、贅沢な自転車が最近は流行っている。
グラベルロード始めました。

ロードバイクは何でも出来るのか?


ロードバイクに乗って早7年。
MTBでのツーリングも含めると13年くらい、人生の半分自転車に乗ってるらしい。
我が家では新顔だったWilierのLa triestinaもだいぶ貫禄が出てきたとも言えるけど、やりたいことをやり尽くしたが故に「出来ることの天井」が分かってきた。

例えばタイヤ。
このフレームはエントリーモデルとしては剛性があって、7000系アルミを使ったスピード重視の設計。振動を吸収しない分、加速やヒルクライムといった場面ではコンフォート寄りのアルミロードより反応がよく感じる。
しかしジオメトリは寸詰まりでクリアランスは無いに等しく、最近メジャーになっている25Cタイヤすらリアブレーキ台座が干渉して履くことができない。


MTBでブロックタイヤからスパイク、細身のスリックまで試して、ロードでもチューブレスを導入したり色々乗ってきた。
タイヤの違いは乗り物としてほとんどの要素を決定づける、と言っても過言ではないと思う。

乗り心地はもちろん、タイヤが細いと脆弱なサイド部分が地面から近くなり、MTBなら大したことない瓦礫で即サイドカットに陥る。


例えば積載性。
ハンドルに寝袋を吊るすと変速レバーが干渉し、ハンドル位置も低いのでバッグが前輪に擦りやすい。
ならフレアドロップバーに交換して目一杯ハンドル位置を上げればいいというのもあるけど、「ロードバイク」のポジションを無くしてまで積むべきでもない。


逆に言えばそれ以外の点は、不満らしい不満はない!

クリアランス問題なんかは調整のしようがないデメリットだけど、それだけ純粋に、アレコレ欲張りすぎない素直なロードということでもある。
そもそも、これらの問題点を読んだ人は「それロードバイクに求める性能じゃなくない?」と思うんじゃないでしょうか。
ロードに出来ないことは、他の自転車に任せようと思ったのが今回の新車導入の一番の動機でした。

「グラベルロードってどれがいいの?」


自転車選びの基準を友達に聞かれることがよくあります。

コンポはどれがいいか、クロモリとアルミとカーボン、エトセトラエトセトラ……

私自身そこまで機材に詳しくないのもあるけれど
「色の好みで、あとは(失敗しないポイントを押さえれば)なんでもいいよ!」
と答えてます。

失敗しないポイントは人それぞれだから難しい……!
強いて言うなら古かったりどマイナーな規格は長く乗り続けるつもりだと寿命が短いかもとか、そもそも安価すぎるとロードの規格じゃなかったりとか。
しっかりしたショップはその辺親切に教えてくれると思います。

人にそんな大雑把な選び方を勧めているものだから、私自身も素材やグレードはあまり考えず最終的には色で全部決めた!

【第一候補】FUJI / JARI 2.3
フジの大人気グラベルロード、ジャリのクロモリモデル。
輪行でガシガシ使えるし、アルミとの乗り心地の違いも楽しめそう。名前のセンスも好き。
ダークグリーンにオレンジのビビッドな差し色も好みでちょっといいなと思っていたら、その重量13kg
重量は脚さえあればなんとでもなるから重視はしてないけど、重量は積載性に影響してくるというのが私の持論。5kg軽いバイクなら、5kg重い荷物が積めるということ。
積載性と輪行のしやすさでいくと今のロードバイクとどっこいということで、唇を噛み締めながら断念。

【第二候補】JAMIS / RENEGADE EXPLOIT
ジェイミスのロードバイクに乗っている人はあまり見かけない。
しかし旅自転車となると、ここはすごく力を入れている。
レネゲードシリーズも、店頭で必ずと言っていいほど見かける人気車種。
こちらもクロモリモデルを候補に入れていたけど、色味を吟味した結果泣く泣く断念。
いや、メタリックで暗いブルーもすごく渋くて漢らしくてカッコイイんですけどね。
フォークのデザインがさりげなくお洒落なので、ぜひ現物見て欲しいです。

【第三候補】NINER / RLT9 STEEL
今回の候補の中で最も気に入っていたカラーのひとつ。
シルバーに水色というちょっと珍しい配色が目を引くし、グレーとの組み合わせも好み。
しかしこのカラー…2018年モデル……!
2019年モデルは補色をガッツリ使った劇的ビフォーアフターで、乗り手の好みを選ぶカラーになってしまっていたので残念ながら見送り。
一応ショップ経由で代理店の在庫も確認して貰ったけど、無いな〜とのこと。

何故だろう、、、?

何でもいいって言ってたのに、いざ選ぶとなると何でも良くはない!

好みのカラーを絞るうちにいつの間にか予算が倍くらい釣り上がってるし、そろそろ決めないと2019モデルも見送ることになりかねない。
青系とグレーの組み合わせ良かったなぁ……どこかにそんなグラベルロードがないものか…。


Wilier「呼んだ?」
私「!?!?!?!?」
Wilier「もうウチにしなよ」
私「ウィリエールさん……グラベルロード作ってたの……!?」



Wilier JENA



そんなこんなで最後は一番気に入ったものに落ち着きました!
青系の独特なカラーリング、前後スルーアクスル、マウント付きフォーク。欲しい要素はほぼ入ってる。

候補を見てもらえば分かるようにWilierじゃないと駄目という拘りは全くなく、たまたま同じメーカーで2台目が決定。
同社でよく使われる筆記体ロゴはすごくお洒落だけど、デザインが強いあまり見た目の方向性をロゴだけで決定づけてしまうところがある。
その点ゴシック体のロゴはこれはこれでシンプルに纏まっていて、黄色のワンポイントがとてもよく映える。


すでに1台持っていたからこそ、このWilier「らしくなさ」が2台目として気に入った点だった。

ロードバイクしか作ってないイメージのブランドで、そんなところが「とりあえず流行ってるし」で作ったバイクがちゃんとしてるの?と思うかもしれないけれど、あまり知られてないだけでMTBやシクロクロスも意外と作ってるイタリアの老舗がウィリエール。

グラベルロードも海外では既に展開していて、何気に3台目のリリースだったり。
なのでまぁ全くの見当はずれ設計にはなっていないはず!
とはいいつつメーカー満を持して初のカーボングラベルロード。乗ってみないと分からない。

誰か一緒に人柱になりませんか( '∇')/

海外のレビューを見るとどうやら同社セカンドグレードのエンデュランスロード、Cento1 NDRのジオメトリーをベースにしているらしい。
素材の60Tカーボンはより剛性の高い上位モデルに使われているもので、予想ではクリアランスの拡張と剛性・軽量性を両立させるために使っているのではないかなーと。


フォークやダウンチューブのカムテール形状で空力を謳っているけど、まぁ阿呆みたいに荷物つける予定なのでこの辺は全然関係ない!!

エキゾチックなシートステー上端。骨盤みたいでエッチい。

この方が縦に強いんだとかなんとか。


乗り心地についてはまた長距離を走ってから判断するとして。
ジオメトリーは今までのロードよりBBハイトが高くホイールベースも長く、乗車姿勢がアップライト。
エアロ性能や剛性を前面に押し出している割に、順当にツーリング志向に寄った設計だと思う。


まだグラベルロード自体乗り始めなのもあり(あと予算がめちゃくちゃ膨らんだのもあり)、とりあえず手に入るパーツで組んでもらった。
引っ越し直後の繁忙期なのに間に合わせてくれたサイクリストスペシャルタケウチの皆さんありがとうありがとう…




ここから自分好みにするために色々調整するのを考えると、納車後もワクワクが止まらない!
フロントシングル化、油圧化、タイヤは38Cのグラベルキングでも指一本分余裕があるしガチの林道ツーリングに向けて45Cくらいまで履き替えられそう。
スローピングが効いてるからドロッパーシートポストという手も……

考えても仕方ない!!

とりあえず、乗るぞー!!!!

【8/20追記】
とりあえず700×28C〜45Cブロックタイヤまで試してみました。

軽量な28Cだと鉄下駄の割にヒルクライムもまぁまぁ苦にならず(わざわざヒルクライムの為に乗る車種ではないけれど)、
45Cでエアを抜けば河川敷のゴツゴツした石の上も何とか通れるレベルの走破性。
1本でマルチパーパス運用なら38C以下のグラキン辺りがやはりバランスよいです。

フレーム自体のクリアランスは700×50Cでもぎりぎり干渉はしなさそうな雰囲気。
もちろんメーカー差やタイヤのヨレにもよりますが。

FDをアウターに入れるとワイヤーエンドキャップが内側に傾くので、そこでごく僅かに干渉します。
思いきってキャップ先端を数ミリ切るか、フロントシングル化というのが解決法ですかね。
太いタイヤを履かせるときは素直に650B化した方が取り回しも輪行も楽そうなので、次期ホイールは小径化してみようと思ったり。

どっちつかずとも称されるグラベルロードですが、正解の確立されていないジャンルだからこそ自分で試して遊べる1台になってます。好きなものを選ぶって最高です。


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