八幡平キャンプツーリング(後編)

脱弘野営の会(仮)、7月会報の続編です。イエス!
写真を現像している間に年も明けましたがいかがお過ごしでしょうか?
真冬に夏の活動を振り返るのも乙なんじゃないということで、どうか今年もひとつ。


目が覚めると霧の朝。



昨日は……

4人組で岩手と秋田の県境までヒルクライムしたり、野湯を満喫したり、キャンプ場が貸切で急遽岩手山の向こうまでワープしてたらふく肉を食べたりしてたんだった。(唐突な説明口調)

山の上とはいえ木々に囲まれたキャンプ場は風も弱く、7月なのでそれほど寒くもなかったです。


到着したときは周囲も薄暗かったし、少し散歩でもしようかな。




森の斜面を拓いた感じのサイト。
霧がなければ、遠くの山も見えるところなんだろうなと。
設備が新しめで手入れも行き届いてるしいいところだ。。


オートサイトと駐車場を繋ぐ道です。

きのう葛見氏の車を借りて薪を運んだときは結構ヒヤヒヤしたな〜
駐車場側には広いフリーサイトもあります。



事務所兼温泉棟。
国内ではキャンプ場を併設した温泉も珍しくないけど、温泉からテント直行で寝られるのってよく考えると日本ならではなのかな?と思ったり
フリーサイトは空が広いし、次の機会があればここだけで1日過ごしてみたいところですね。


起きてた人達。
なんならもう1泊するぞ、というやる気に満ち溢れているのが伝わってきます。
というか今日の予定、昨日に続きノープラン。
そりゃ八幡平ライドすら昨日決めたくらいだから、翌日のスケジュールなんて考えていなかった訳で。

「今日どこ行こう?」
「(岩手の地名)…」「もう行ったね!」
「(他の岩手の地名)…」「もう行ったね!」

という感じで、東北勢だけあってお互いまだ行ってない場所を探すところから始めるなど。

でもそこは広い岩手なので、足さえ伸ばせば何かしらあります。
あまり知られていないけど岩手は鍾乳洞の宝庫というのは有名な話(!)
本日のクエストは洞窟探検にしよう、というところまで決めて腹ごしらえ。


デン!発売直後のやつ!
ノブさんのキャンプギア紹介コーナー。


ここがこうなって!


こう!!!

スノピのフォールディングコンロ、なんでも滅茶苦茶人気で生産が追いついてなかったみたい。
スライド式の折りたたみ構造が変形ロボっぽくてロマンの塊感ある!
自転車旅だとやや嵩張るけどこの安定感は魅力ですね。



朝はカップ麺に限る。
お湯だけでいいし洗い物が少ないし暖かいし。


フリードスパイク、2人3台を余裕の収納!流石という感じ。
うっすん氏と私はあとで盛岡駅から輪行するので、降ろす自転車はこちらにまとめました。
昨日に引き続き、岩手を横断する長距離移動。車載の恩恵に預かりまくるぞ!


気軽にカーステレオで好きな音楽流せて、車旅はいい。
自転車のハンドル用スピーカーも使ったことはあるけど、街中だと流石にというのがあります。

岩手を横断すると書きましたが、端から端ではないのにその距離100km余。
ドライブでも下道なら休憩を挟みたいところです。
山奥の丁度いい距離で道の駅があるので立ち寄ってみました。



道の駅…?



うわ!
がっつり学校を再利用した建物。
景色と天気が相まって「夏休み中の静かな学校で友達と待ち合わせた」気分になりました。
なりません?


ちなみに三田貝は「みたかい」と読むらしいです。
クイズ番組にいつか出ると信じて記憶に焼き付けました。



中の雰囲気も少しだけ。
出身の小学校は地元でも古い学校で、建物から設備まで「これいつからあるんだろう…」っていうモノで溢れていたけどこういうオルガンは流石に無かったなあ。
ちょっと触ってみたけど、下手なのか調子が悪いのか上手く鳴らせなかったです。


さらに30km弱、ようやく到着!
岩手のほとんど太平洋側まで山を抜けました。

日本三大鍾乳洞のひとつ、岩泉町の龍泉洞(りゅうせんどう)。

先ほど書いた通り岩手県には多くの鍾乳洞があります。
日本最長総延長23kmの安家洞、3億年以上前の地層を残す幽玄洞。えとせとら。



…という岩手洞窟情報は後から調べた知識も込みで、当日は龍泉洞についての知識はほぼ無し。
でも幽玄洞は訪れたことがあったので、さらに大きいスケールと聞くと期待も高まります。
売店のお土産コーナーを見るに、どうやら綺麗な「水」で知られている洞窟のようです。




美味しそうな食べ物やらに目星をつけつつ、外界とはしばしお別れ。
三大鍾乳洞、はてどんな場所だろう。


ふと入り口の看板に目をやる。

10℃!!
寒っ!!!!!!



中を歩くと、以前訪れた幽玄洞より大分歩きやすく整備された場所でした。
状態保存と観光地化は相反するところですが、昔むかしはこういう場所にスニーカーで立ち入ることも出来なかったわけで、時には亡くなる人もいたわけで。
ちょっとウインドブレーカー羽織って寒い思いをするだけで洞窟探索が体験できる現代を有り難く思うことにしましょう。

この先しばらく行くと階段がありますが、その手前までは車椅子の方も見学できるそうです。


長命の泉。

一口飲むと3年長生きするという言い伝え(誰が言ったのかは不明)
この深さでも透明度が高そうなのが見てとれます。



ライトアップされた鍾乳洞は、なんだか陽の射し込む教会を思わせます。
青や赤の奇抜なライトだと個人的にちょっと苦手、なんですが、そもそも地下が明るいことからして不自然だと気づいて、不自然を楽しむのもひとつの手だと思いました。


龍泉洞めちゃくちゃ広い。
細くて長い洞窟なんかは「ここで明かりが消えたら二度と帰れないのでは…」と仄かな不安を感じることもあります。
対する龍泉洞は空間の広さ、人手も手伝ってこういう建築物の中に迷い込んだ感覚に陥ります。
実に奥が深い(洞窟だけn


水の上を歩いたり。


水の行く先を眺めたり。

よく遊ぶ数少ないゲームのひとつとしてマインクラフトが好きなので、水流の音や反響音にはちょっとテンションが上がります。
あと服が緑色の人が視界に入るとびっくりします。


どう見ても亀に見えませんか?
見えますよね。
見えます。

これ系は星座みたいなものなので突っ込むのは野暮というもの。


ここまでされるとお地蔵様に相違ない。


エキゾチックと綺麗の狭間。
これも無機物なんですか。ひえー


もし本やネットでこういう風景を一切知らず、突然迷い込んだら何だと思うんだろう。

洞窟というのは大昔の人類が暮らしていた場所もあるけれど、彼らは何処まで踏み込んだんだろう。
異界や神様を連想しただろうか、それとも現代の人のほとんどが海を見ても海底数千mの景色は頭に浮かんでこないように、見向きもしなかっただろうか。


穴はさらに下へ続きます。


龍泉洞はまたの名を岩泉湧窟。

名前の由来は言うまでもなく、この水量なのでしょう。
現在は、7つある地底湖のうち3つまでを見学することができます。


第三地底湖。
発見されてから、半世紀ほどしか経っていないんだそうです。

水深98m。
30階建てのタワーマンションが余裕で沈む深さ、と思うと装備があったとしても底まで行く気にはなれません。

そろそろホントに寒くなってきた。
さて、地上へ戻ろう。


折返し地点からは行き帰りで人がすれ違わないよう順路が組まれています。
その代わり帰りの方が起伏や狭い場所が多め。
頭やカメラをぶつけないよう気をつけて階段を歩きます。

ところで最近ツーリングに持ち出すデバイスが増えて、必然的にケーブル類も急増しました。
Lightningケーブル、USB mini A、Micro B、Type C、などなど。


これらは持っていたものの、肝心のカメラバッテリー用のACアダプターを忘れてきたのです。
この写真で一眼レフのバッテリーが力尽きました。

予備、流石に買おう_(:3 」∠ )_


帰り道で洞穴ビーナスがお見送り。

岩のラインをよく見ると、ビーナスっぽいと思いませんか?
私は全然思いません。


脱出!!!!

いやー寒かったやら肝が冷えたやら。
名物ソフトクリーム美味しかったです。


場所は変わって盛岡市街。

さらっと書いたけど70kmワープしてます。
車載は…いい……( ˘ω˘)


4人で打ち上げがてらご当地の何かしら食べたいよねってことで。

じゃじゃ麺元祖の白龍という店に来てみました。
わんこそばと冷麺は食べたことあるけど、じゃじゃ麺は初めて。


これをこうして


こうじゃ!

肉味噌と薬味を混ぜつつ、まぜそば的な雰囲気で食べていきます。
平麺の冷やし中華みたいな感じで、塩っぱそうな見た目に反して食べやすい。


食後は店員さんに鶏蛋湯(チータンタン)を頼むと卵と茹で汁のスープを追加して貰えます。
んまかった。

盛岡駅前で解散して、ノブさんと葛見氏は宮城へ。
うっすん氏は輪行で青森へ。
私は新幹線で東京に戻ります。

キャンプしようぜ!だけでよくあちこちから人が集まるもんだな…とつくづく思います。
ノープランの旅も結果的に峠と温泉と洞窟探索、振り返るとイベント盛り沢山。

この人達、またそのうち会う気がするから解散もそんなに寂しくはならんのですよね。


おわりー

次はまた東北です。
2019年は、行きそびれていた青森各地を巡る年でした。

白神山地、下北半島めぐりの旅へ続く。

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