APIDURA製品をただ褒める話

グラベルバイクをアップグレードするにあたってまず優先したのはバッグでした。
システムもある程度完成してきたのでここで再評価をしてみます。
バイクパッキング用バッグの代名詞的メーカーAPIDURA(アピデュラ)。いつの間にか揃ってました。


いつもレビューを書くときは「好きで買った、よかった」程度に留めて積極的に推奨することはあまり無いのですが、ある程度色々な自転車バッグを買った上でアピデュラの評価は頭一つ抜けて高いです。
そこそこ値の張る製品にも関わらず買って後悔した点が悔しいくらい無い。

某大手通販サイトで取り扱いがないからアピデュラ製品は広告とか挟めないけど、広告もどっちかというと使用機材紹介としていつも置いてるので正直無ければ無くてもよいのです。(Amaz○nに怒られそう)


都内だとTOKYO WHEELSなど得意とする取扱店ならほとんどの製品の実物を見られます。
そして代理店のAlternative Bicyclesさんで直接通販も可能なのでそちらもぜひ。(Amaz○nに怒られそう)

Amazonさん大好き!

よし。

APIDURA DRY サドルバッグ (レギュラー:17L)


まず多くの人が検討をするであろう大型サドルバッグ。
褒め散らかすと宣言して早速手のひら返しですが、このバッグの優先度は実はそんなに高くないと思っています。

○ これひとつで大容量を稼げる
△ 走りへの影響も大きい
△ 日常のライドでは容積が余る=使用頻度が少ない
△ グラベルバイクだと特殊シートポストとの相性が悪い(特にレギュラー)

10Lを超える大型サドルバッグはキャリアを用いないバイクパッキングのリーサルウエポン的存在で、全ての場面で活躍する汎用性はない。
これはアピデュラがどうこうというより、大型サドルバッグ共通の問題。

特に恩恵を最大限享受できるレギュラーサイズではダンシングの影響も大きく、この手のバッグにありがちな「型崩れ」を防止するパッキングの難易度も高いです。
ただし体積の大きいテント、冬場に嵩張る着替え、キャンプ用の食材などの明確な使用目的がある人にはオススメ。
私の場合それ以外のシチュエーションでは、オルトリーブのサドルバッグとフレームバッグで重量を分散するようにしています。


ネガティブ要素はこの辺にしといて、アピデュラDRYシリーズの長所は何より軽さ。

元々使っていたGIANT SCOUT SEAT BAG(旧モデルの9L)との比較ですが
防水性が向上して容量もほぼ倍になったのに10%軽くなりました(公称440g→400g)
GIANTと同容量9Lのコンパクトサイズだと325g。
100g以上の軽量化は小さいようで大きい差です。

これまで防水を謳う製品を使っていてもたびたび浸水することがあったのですが、この製品の場合は生地の継ぎ目を溶着してしまい防水加工のネックとなる"縫い目"を排除しているのがミソ。
溶着は、完全防水製品で知られるオルトリーブ社も売りにしている製法ですね。

APIDURA DRYに使われている素材は「TPUハイパロン」というもの。
耐久性の高いゴムをしなやかで防水性の高い樹脂で覆った素材(という表現で合ってるだろうか)になります。
確かに触った感じではペコペコとしなるプラ板……をもっと柔こくした感じ。
バッグのロールの邪魔になるような硬さではありませんでした。

撥水に留めていたノーマルのアピデュラから、重量増のデメリット無しで防水化したのがDRYシリーズです。

併用しているミノウラのスタビライザーについては、個人的にはデメリットの方が目立つ結果となりました。。。
でも堅実な作り故という一長一短なので、そこはまたの機会に。

APIDURA DRY フォークバッグ


ここからただ褒めるターン。
このフォークバッグめちゃくちゃ良い。

グラベルバイクと言えばボトル台座つきのフォーク、そして荷物を括りつける大型ケージ。
使用しているケージはBlackburnのもの。
アピデュラのバッグは専用品だけあってバイクパッキングとの相性が抜群でした。

どういうことかというと……


Blackburnのケージには専用のストラップがついていて固定力、滑り止めの性能は文句なし。
1000円くらいで手に入る手頃なスタッフバッグ(写真参考)でも十分なのですが、問題がいくつか。

・選択肢が多いのは5L以上のスタッフバッグで、フォーク用には大きい。
・ストラップの着脱がちょっと手間
・キャンプ場で荷降ろししたあと買い出しに行くとき、ストラップ4本を失くさないよう収納したりケージに括り付けたりするのがちょっと手間

そこで「バイクパッキング用のバッグ」に目をつけて導入してみました。
容量こそ4.5Lと大きいように見えて縦長サイズだから収まりがいいし、ロールで調整可能。
そして他社製品にない要素が、別途のストラップが不要という点。


バッグ中央のスリットに通したストラップをケージに引っ掛けて、折り返したベルクロをくっつければ完成。
キャンプ場に着いたらこのベルクロを剥がして、テントの中にバッグを放り込むだけ。
ケージ側にストラップが残らないので、前輪に巻き込まない工夫をする必要がありません。
キャンツーはテントの設営やら何やらで毎回忙しいので、この一手間がなくなるだけでもメリットは大きいです。


片方を着替え圧縮袋にして、片方にはクッカーだったり椅子だったりを収納しています。
先述の通り一般的なスタッフバッグと比較すると直径が小さいので、クッカーは買い直す必要がありました。
スノーピークのアルミクッカーSサイズが入らず、プリムスのイージークックソロセットSがギリ入るくらい。

OD缶の110サイズをスタッキングできるクッカーがピチッと収まる、絶妙なサイズだと思います。

APIDURA DRY フレームバッグ(S)



メインで使うJENAがオフロード向けのスローピングフレームであることを踏まえてSにしました。
ロードバイクの方ではスペースが余るので、予備チューブを仕込んでみたり。
よく入れるのは携帯三脚、バッテリーやケーブル類、そして補給食。
スペースに余裕があれば輪行バッグ&エンド金具なども。

キャンプ用品だと手持ちのミニテーブルは入るけど焚き火台は入らないくらいのサイズ感。
ボトルケージを諦めてMサイズ以上を使えば対応できそうです。


同じ構図でJENAに装着したところ。

スローピングがきつい分ちょっと窮屈、ちなみにフレームサイズはSです。
どちらもアダプターを併用してボトルケージの位置を下げています。


素材についてはサドルバッグ同様。

ダウンチューブとの接触面はバッテリー用にスリット状のコード穴があいているので、完全防水ではありません。
でもフレームの内三角に直接水しぶきがかかることは滅多にないしカバーも施されているから
川に放り込んだりしなければ大丈夫じゃないのかな?と思ったり。


ちょっとだけ問題を挙げるとするなら、ジッパーが片手だと閉めにくい点。
止水ジッパーとしてはけっこう動きが滑らかで、固いというほどではないと思います。
ただバッグ自体が薄くしなやかなおかげで、もう片方の手でバッグの変形を抑えないといけない。

サッと補給食を取り出してパッと閉めることが難しいのが唯一惜しいところです。
他は文句なし!これだけ軽さと扱いやすさと防水を兼ねていればお釣りがきます。

補給食サッと取り出せない問題については、次に挙げたフードポーチで解決しました。

APIDURA フードポーチ(0.8L)


正直いちばん導入して良かったと思ってるのがコレ。

エナジーバー、鍵、おにぎり、その都度に合わせてなんでも入れます。
静かな場所ならスマホを投げ込んで好きな音楽を流したり。
そして片手での開閉が非常に楽


あとモバイルバッテリーもよく入れます。
口を絞れば多少はみ出すボトルなんかも問題なく固定できるし、最低限ステムの突き出しがあればどんな自転車にも取り付けられる柔軟性も良い。

このフードポーチが手放せなくなったのは、筆者がフロントバッグの使用を極力避けているのも一因。

ハンドル中央に「GARMIN + GoPro + VOLT800」をマウントするスタイルで安定してしまったので、寝袋をハンドルに吊るすしかないとき以外ハンドルの前は空けています。
ポーチだとアクセサリー類に干渉しないし、輪行のとき外すそれら小物を収納する袋としても地味に便利。

このスタイルで落ち着いてしまった

フロントバッグよりアクセスに優れているし、案外これぐらいのサイズの方が中がごちゃごちゃしなくて良かったりします。

フードポーチに関しては褒めるところしかない…困った…

良いバッグは色々あるけどアピデュラは良い



以上!!

「アピデュラはお値段が……」と思っていたのにいつの間にか一式揃ってしまった人の紹介でした。

もちろんカラーリングの好みや求める性能の違いもあるので、この製品だけを一番に挙げる訳ではありません。
DRYシリーズ、色合いはノーマルに比べるとゴツめですしね(筆者はむしろ好きです)。
ツーリングの楽しさは機材ばかりが決めるものではないし、バイクパッキングもそんなに気張らず、ゴム紐で寝袋を括り付けるぐらいの感覚で全然いいと思っています。(似たようなことはよくやります)

でも予算があった上でどれを選ぶか迷っている人がいたら、アピデュラは手放しで推せる製品。

そんな訳で改めて記事に纏めてみました。

おわりー!


一応、言及していた製品の紹介。

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