手組みホイールを導入してみた話 / Mavic OPEN PRO UST Disc

2019年にフレーム買いしたWilier JENA。
フレーム以外は拘らずの見切り発射で組んだので良く言えば色々改造しがいがあります。(良く言えば!)
しばらく乗ってみて、まずはホイールから替えてみることにしました。



グラベルバイクに乗り始めて約半年の頃。
ロード以上に色んな場所へ連れて行ってくれる機動力にすっかりハマったわけですが、やはりそれなりに乗り慣れてくると欲が出てきます。

グラベルバイクの不得手な性能。
それはロードと比べると見劣りしてしまう加速感。


MTBより巡航性能が優れているのは確か。しかし反応速度まで花丸とはいかない。
加速のダイレクト感が弱いのは広いタイヤクリアランス、ゆったりしたホイールベース、コントロール性、それらとのトレードオフだから当たり前といえば当たり前。

未舗装路でさほど神経を削らずに走れるのは、ジオメトリによるところも大きいです。


それとは別に、街乗りでの信号スタートや登坂でかなりの出力を要求される感覚がありました。
というのも、いままでのla Triestinaに履かせていたホイールはハイエンドアルミホイールの代名詞、Racing Zero。
対するJENAのホイールはシマノのRS-170というエントリー向けホイールだったので、こと加速に関しては決定的な性能差があるわけでした。

旧ザクとグフカスタムぐらい……若しくはコマンドウルフとシールドライガーぐらい

一応説明すると、レーゼロの重量が前後ペアで1500g切り、RS-170は2000gを超える重量級ホイール。

単純な質量だけでなく周辺重量だとかスポーク素材だとか色んな要素が絡むので数字ひとつで結論は出ないけど、1000km以上走ってみた実感としてこの「グラベルの重さ」は6割くらいこの初期ホイールによるものという印象でした。
回転質量はフレームやハンドルを軽くするより遥かに重要とよく言われます。それはロードバイクのホイールをカムシンからレーゼロに替えたときにはっきりと体感しました。

そういうわけで、JENAのカスタムはまずホイールから進めていくことにしたわけです。

多少のメンテナンスはできるので普段パーツを購入するときはネットを使うことが多いです。
しかしホイールに関してはしっかりメンテナンスできる機材も腕も持ち合わせていません。
なんせ完組みホイールの初期振れを微調整できるかも怪しいところです。
長く使うことを考えて、プロショップに相談することにしました。


割とよくいく新宿エリアで取り扱いブランドの多いブルーラグさんに行ってみました。
この時点では完組みを想定していて、要望はこんな感じ。

○ 予算5万〜最大10万程度
○ 輪行を頻繁にするので、2100g→1600g台まで軽量化できれば楽
○ 砂利道程度のオフロード対応
○ 現在のリム幅だと極太タイヤが微妙なので、もう少しワイドなリム
○ 見た目的にはスポーク少なめが好き

2019初秋時点で調べた完組みホイールで条件に当てはまるのはALEXRIMS、HUNT、Rolf PRIMAあたり。
好きなメーカーだけど、カラーリングに赤を入れたくないのでFULCRUMは除外。
これらの予算と用途を伝えている間に店員さんから

「ウチなら手組みも得意分野ですし、この条件で組んでみるのはどうでしょう?」

という提案を頂いたのです。

実は手組みホイールに対しては知識豊富な玄人向けというかハードルの高さを感じていたので、ほとんど選択肢に入っていませんでした。
ざっくり話を聞くと予算と重量はクリアできるし、もともと人柱精神が強いので他の人が使っていない組み合わせを選んだりできるというオリジナリティはめちゃくちゃ魅力的。

話をしたブルーラグのスタッフさんが以前45Cのブロックタイヤを導入する際に色々相談した人でもあったので、こちらの使いたいイメージを既に理解してくれていたというのもあって気がついたらノリノリで手組みのオーダーに入っていましたw


オーダーして知ったんですが手組みホイール、ホイールを注文するだけで自転車一台バラ完でパーツを選ぶような楽しさがあります。

まずはリム。
これは重量をなるべく抑えたいという要望を出していたのでMavicのOPEN PRO UST Discに決定。
そしてスポークが少ないほうが好みというオーダー、ここは自分の好みを押し通して本数を減らしました。スタッフさん的には28Hが安定でオススメとも言われたんですが
「でもお客さん敢えてちょっと変わった構成にするの、好きそうですよね」
「見抜かれている……」
そんな感じで24H用のリムを選択。スポーク分ちょっとだけ軽くもなるし。

リム選びからは基本的に予算内での消去法で、ハブはDT Swissの350に。
ここはもうちょっと軽いモデルにする手もあったけど、リムの軽量化に比べると個人的に優先度は高くなかったので抑えました。

最初は評判の固い完組みを買う気マンマンだったのに、即日でパーツ選んでオーダーしていたのには自分でもビックリ。

そんなやり取りをして1週間後、納期より早く電話が来たので速攻で受け取り!

偶然にも誕生日でした。
全然狙ったわけではないんですがワクワクです。


ででん!!

初めての手組みホイール、完成です。

リム:OPENPRO UST Disc 24H (430g / チューブレスレディ / 内幅19mm)
ハブ:DT Swiss 350 (F136g / R256g / 12mmアクスル用アダプター使用)

価格:8万3000円ほど



スポークは黒を選択。

オーダーに入れ忘れてたんですが、チューブレス運用する話をしていたのでTL用リムテープをインストールしてくれていました。
まだどのタイヤをメインに据えるか決めていないので、しばらくはチューブを入れて使います。


早速組み付けて走ってみることに。
Mavicのイエローカラーもフレームにマッチして満足度が高すぎる…

最大の期待と言っても過言ではない加速性能、これは近所を乗っただけでも分かる。ばっちり!

有機的なシルエットも甲虫っぽい格好よさ

流石に23Cタイヤを履いたレーゼロほどガチガチではないものの、今までうっすら感じていたモッタリ感はほぼ払拭。
残りのワンテンポはジオメトリによる根本的な差異で、ツーリングには支障ない範囲。

タイヤ幅を割り切って28C軽量タイヤにしてしまえばエンデュランスロードとしてもいけそうな感じ。
踏んだら応える、太いタイヤもヨレずに履ける、期待値通りの仕上がりでした。


いままでの内幅17mmのRS-170だと許容値オーバーだった、45Cタイヤ。

2mm広がったおかげでそこはかとなく感じていた無理矢理感も解消された様子!
何気に嬉しい。


河川敷のダートや、グラベルバイクというよりMTB向きのトレイルも走ってみたりして、耐久度の面でも抜重しつつ段差を下るぐらいは全然問題なさそうでした。何故トレイルで試した

 

体感的な部分はそこそこに数値の話をすると、前後ペアで1,670g。

重量比のコスパで言えばHUNTやALEXRIMSあたりの完組の方が軽いけど、性能は剛性とか色々込みなのでそっちも使ってみないことには、正直分からないです(正直)
既に約500gの軽量化で、大体ボトル1本を積まなくていいのと同じ計算。
最初ショップの方曰く「1700g切れるかなー」とのことだったけどフツーに大満足です!


以上チューブレス運用もこれからというところですが、5ヶ月時点でのインプレでした。

機材のアップグレードは単純に速くなること以上に、「この重い機材さえなければもっと走れたのに…!」という後悔がなくなるのが大きいメリットです。
ある程度機材の力に背中を押してもらって、ここからは自分の脚!と判断できる材料になります。

このまままんまとハマってGRX載せ替えにも踏み切りそうな勢いですが、それはいつかまたいずれきっと。

おわりー

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