GoProを1年半使ってみた話

アクションカメラ。
もともと関心のあまり無かったジャンルの製品でしたが、使ってみるとかなり良いものでした。
サイクリングでのGoPro HERO7 blackの運用について、1年半使ってみた感想などを。


どんな製品も、例えば自転車メーカーやカメラメーカーでも最大手を決めるというのは難しい話です。

しかしスマートフォンの代名詞の座にiPhoneが置かれているように、アクションカメラ代表と言っても過言ではないくらい人気を博しているGoPro。
なんとなくスノーボードやサーフィン、自転車にしてもMTBぐらいのもので、ツーリング主体の自分には縁遠いイメージがあったのでなかなか手を出していませんでした。

ただ各地を巡っていると、特にGoogleストリートビューにない道なんかを走るとき、一眼レフとスマホだけだと逃してしまう記録というのが度々ありました。
ブログに載せる分には一眼レフだけでもいいぐらいなのですが、諸般の事情でそういうものを残せる機材が欲しいと思ったのがアクションカム導入のきっかけです。

バイクパッキングの隙間に差し込める機材。
いまどきは何でもかんでも小さいので助かります。

他社製品との比較は色々なサイトでされていますが、GoProを選んだ理由をざっくり書くと
・HERO7 blackの電子手ブレ補正が劇的に進化していた(最新のHERO8はもう1歩進んだようです)
・YouTube等で調べた自転車積載動画を見ても不満がなかった
・大手なのでアクセサリーが豊富

こんなところ。

この記事を書く時点では既に型落ちのモデルということもあり、スペックなどを細々書く必要は無い気がします。
今回は「自転車でどんな運用をしているか」に絞って書いていきましょう。

実際に撮ったもの


動画共有サイトのVimeoに色々置いてます。



たまにこういう遊びの動画を撮って編集してみてます。

素人仕事でも、Mac miniと無料でバンドルされているiMovieで結構楽しめます。
(純正の編集アプリは転送に時間がかかりすぎるので使ったことが無いという…)



こちらは去年行った白神ラインの動画。
すれ違ったバイク乗りの人の会釈なんかも残っていて嬉しかったり。

白神ラインは記録目的もあったので結構長めにカメラを回していました。
とはいえSDカードの容量もバッテリーも限りがあるので、何十キロという道を自転車のスピードで撮りきるのはタイムラプスでもないと無理そうです。

画質を抑えた2.7Kでこれ( ゚д゚)
撮れば撮るほど振り返るためのリソースが必要になります

あまり長尺で撮るとPCのストレージの圧迫も半端ないので、用がないときはカメラを切りがち。
でも、写真も動画も咄嗟の景色も素早く対応してくれます。
数秒のラグはあれど、ガーミンやレバーを操作するのと大差ないお手軽さ。



アングルは固定だし一眼レフの表現力には及ばないですが、なかなか足を止めづらいイベントでは特に威力を発揮します。

画質にしても、一昔前の小型カメラより逆光耐性は優れているしRAW現像にも対応。
このサイズにこれだけの機能性が圧縮されている。すごい時代になってしまった。

(欲を言えばSessionシリーズ並に小さければより自由度が高まるのですが、10年後に期待です)

マウント方法あれこれ


これは試行錯誤中で、ちょくちょく買い足しやDIYをしています。
上記の動画を見て頂いても分かる通り、動画編集が前提なら視点が豊富なほど遊びの選択肢が増えます。

------------------------------

■ハンドル

定番なのはやはりハンドルマウント。
これはAmazonで見つけたGarminマウント兼用の製品を使用しています。
製品詳細は下の方にて。


アクセサリー類がハンドル中央にすっきりまとまるのが気に入っています。
レックマウントという選択肢もありますが、削り出しの堅牢さのおかげでオフロードでも安心。

ただし接合部のバリが馴染むのに少し期間が要りました。精度は価格相応。


下を向くよう取り付けてタイヤと地面を映すと、なんかの編集に使えそう。


最初はこういうタイプのクランプ型のものを使っていました。

ただこのタイプは「ライト類のスペースを圧迫する」「カーブしているハンドル中央につけると傾く」などの理由で徐々に不採用に。
最初に挙げたサイコン兼用のほうは、現在一番よく使っているマウントです。

------------------------------

■トップキャップ

トップキャップは、一度導入したもののあまり使わなくなったマウントです。


理由はハンドル先端に取りつけてるサイコンが視界を塞いでしまうことが多いから。
(あと小さめの理由として、輪行でひっくり返すとき突起が邪魔になりがち)

逆にハンドルを入れたい構図でサイコンなど邪魔をするものがないなら、自転車感があっていいチョイスです。

ハンドルをかなり下げると地平線に被らない!けどコラムは何センチかおっ立ってる状態

他のデメリットとして挙げられるのは「水平方向が意外とシビア」という点。

ハンドルが左右ちょうどよく収まる角度は意外と狭いので最初に調整するのですが、トップキャップを締める→GoProを取り付けてチェック→ボルトが隠れてるので一度GoProを外して角度微調整→またGoPro取り付け……という作業が地味に手間だったりします。

一長一短ですね〜

------------------------------

■ヘルメット

これはハンドル並に定番。


見た目が「グーグルストリートビューを記録している人」の縮小版みたいな雰囲気になるのが難点…(慣れよう!)
よく見られる頭頂部へのマウントは安定感があるのですが、私の場合はあえて斜め前にマウントすることが多いです。

ハンドルを若干近く映せるし、障害物に引っ掛けにくいというのが理由。


グループライドなら、ヘルメットで後ろ向きにマウントするのもちょっと面白いです。
自分の視覚を超えた記録は自由度の高いアクションカムならでは。


ちょっとだけ視点が高く地面が流れるスピードも落ちるので、やや浮遊感のある映像に
ハンドルを映そうと俯瞰にするとそのぶん空は狭くなります
------------------------------

■ネックマウント
自転車というよりは旅行中の街歩きで使われるイメージのぶら下げタイプ。


当然ながら自転車には不向きで、前傾姿勢だと全く安定しません。
HERO7の電子手ブレ補正が苦手としている軸のブレが出てしまうようで、記事の1本目の動画でも前後ブレが激しい素材はネックマウントで撮影しています。

ただし余程険しいトレイルをMTBでダウンヒルしない限り外れて落下することは無さそうです。


ネットで得た情報で「宙ぶらりんだと安定しないから、延長アームで本体が胸に接触するよう調整すると良い」とあったので試したら、前後ブレによる違和感はちょっと改善できました。

画的には丁度いい高さなんですけどね、さらに安全ピン等で胸元に固定するといいのかもしれません。
似たアングルにチェストマウントがありますが、ハーネスが暑そう!という理由でまだ導入していません。

ヘルメットより低くチェストより高い、個人的には一番バランスのいい視点
やはり固定が難点ですが…バックパック派ならもっとやりようがありそう
※2020.6.19追記
ちょっと改良してみました



ジャージのファスナーも肌から浮くので簡易固定ですが、思ったより効果あり。
上りで踏むと上半身が大きく動くのでやはりブレます。
漕ぎが少ないシーンではアリですね。

------------------------------

■ダボ穴活用

この辺からちょっと怪しい匂いがしてきますが気のせいです。
キャリアや泥除けをつけるダボ穴に取り付けるパーツをDIYしました。



DIYというには大げさなやっつけ作業'`,、('∀`) '`,、

延長アームの隙間にスペーサー代わりのナットをはめ込んだだけです。
ちょうどシフターのケーブルにひっかかって、角度的に「おじぎ」してしまうことはありません。

面白い画が撮れるしスピード感もあるのでときどき使います
GoProを外せばつけっぱなしでも邪魔にならないのもいいです
よく考えたらフロントにもつけられそうですねこれ

------------------------------

■地獄のDIY編



お ま た せ


と こ ろ で こ い つ を ど う 思 う ?

冗談はさておき。
「三人称視点」これは誰しもが至る発想だと思います。しかし現実世界ではカメラなんて宙に浮かない。
でも、ダボ穴からGoProを伸ばせば…あるいは……?
そんな思いつきを頭の中だけに留めておくことは出来ませんでした。

お叱りを受ける前に自分で言及しておくと、この棒を伸長した状態で公道を走るとレッドカード。
じゃあ自転車に釣り竿積んでる人はどうなんだというアレもあるんですけど気にしたら負け。

(厳密には積載装置からはみ出していいのは30cm内という制約、キャリアとして考えるならダボ穴から伸ばしたステーが基準になりそうですが"アクションカムを取り付ける先端部分までが積載装置だ!"と言い張ればセーフなのでは)
(アウトです)


はいブレッブレ!本当にありがとうございました。
これが標準状態だと、サドルとの接点も固定しているので見た目以上にガチガチに動きません。
しかしいざ伸ばすと、カーボン製の竿のしなることしなること。
特にオフロードでは破損の可能性すらありそうです。

ロッドを短くしてゆっくり走ればなんとか許容範囲に。
この視点、自転車は案外映らないんですね。
今回の素材はアルミの1m棒を半分に曲げてホームセンターの金具でジョイントしているだけの雑DIYですが、もっとステーを長くして、重量物のある先端部を直接支えて三点固定ができれば安定する可能性はあります。
道交法的にも前後のはみ出しが30cmに収まるよう仰角を高くして、伸ばす長さも最低限にすればあるいは実用的なものができるのかもしれません。

どの業界にも先達はいるもので、こういうマウントはもっと本格的なものを制作している人もいます。

------------------------------

■番外編 置きカメラ


もはやGoPro関係ない気もしてきましたが…
編集した動画をSNS等に投稿する前提なら「カメラを置いて撮影する」というのも一つの手です。
これは三人称視点のようなバリエーションが増えるというのもありますが「画質が荒れにくい」というのも実は大きいメリットだと思います。

Twitterで顕著ですが、せっかく高画質に撮った迫力満点の動画をいざ投稿すると●●みたいな画質になって、葉っぱも地面もぐちゃぐちゃ…という経験をした人はいるはずです。
どのSNSでもサーバーの容量節約には熱心なようで、路面の砂利や木漏れ日といった情報量が多いグラベル系の動画などはもれなく再エンコードの餌食となります。相性が劣悪。

置きカメラの場合は画面上で動いているモノが圧倒的に減るので、低ビットレートでもそこそこ綺麗な画質を保つことができます。
設置してからカメラの前を走ってまた回収しに戻る図については考えてはいけない

で、GoProってどうなの

動画を撮ったあとの遊び方や、素材集めのあれこれを先に書きました。
さて、GoProを導入して得た体験は結局どうだったかという話に戻ります。
まあノリノリでマウントを自作しているとこからもお察しの通り、楽しいですよ!

ココがよい
・同世代で文句なくトップクラスの撮影性能(HyperSmoothがとにかく優秀)
・大雑把な扱いでも破損する気配が皆無
・ユーザーが多いだけあってトラブルシューティングも調べやすい

ココが大変
・HERO7はフリーズすることがよくあり、稀に撮影失敗も
・バッテリー容量が本当にミニマム
・バッテリー交換のたびにマウントから外してハウジングを脱がせるのが億劫(HERO8は改良済)
・本気で動画遊びをするには動画PCが必要(うちのMacはグラボと内蔵ストレージが貧弱)

ちなみに新型のHERO8が出て7と比べてどうなのという話もありますが、比較動画を見る限り8の方が価格差以上にいいものだと思います。
ただ現在7を持っているとしたら、バッテリーや夜間撮影といった弱点が明らかに克服されている訳ではないので即買い替えるほどではなさそうです。

手ブレ補正の性能差的には 6<<7<8 という感じじゃないかなと。

(動画サイトで7→8に劇的な差がるように映っている映像は、販促的な理由もあってか故意にカメラを振り回している傾向があるような気はします。それでも7で補正しきれないブレを吸収できる8は凄い!というところに集約されるしどっちか買うなら断然8だと思います)


アクションカメラといったらめちゃくちゃアクティブな人やYouTuberが使うイメージでしたが
実際買ってみたらめちゃくちゃ面白いオモチャだった!という話でした。

おわりー

 SDカードはまがい物も多いのでポチるときは慎重に

コメント