晩秋 奥日光キャンプ

自転車仲間でキャンプ仲間の葛見氏からキャンプのお誘い。
というか、前から日光でキャンプしようと計画を立てていた。
11月のはじめのこと。ちょっと奥日光キャンプがてら北関東ツーリングしてきた。



午前3時頃に自宅を出て、東武鉄道の始発駅・浅草へと向かう。
金曜が明けたばかりの繁華街はまだ人や車で賑わっていた。


始発30分前、浅草駅に到着!
あとは福岡から来るすーさんと合流して始発で日光を目指します。

キャンプ道具のほとんどを持参してきてくれる宮城の葛見氏は車移動だし、本当は電車とバスで現地へ行くのが色々と都合がいいのだけど、ついでにツーリングもしたいということで輪行と自走で向かわせてもらうことにした。
代わりに始発で早めに日光入りして、車より先にいろは坂を登って帳尻を合わせようという算段。


今回は関東でのキャンプなので遠方からのアクセスも比較的良い。
すーさんというのはこちらも自転車仲間で、彼はわざわざ福岡から飛んで浅草の宿で待機しているとのことだった。
てっきりそろそろ宿から出てもう準備をしているかと思ったけど、どうやら音沙汰がない。
こ、これは…!(スタート前から雲行きがヤバイ)

……LINEで連絡してから輪行準備も終わって、いまいちど電話をかけてみるとそもそも浅草に物理的に間に合わない場所にいた。
2人分の乗車券持ってるから流石に置いていくわけにもいかず。
まあ話のネタになったしいいか!出発を1時間遅らせることに( ^ω^)オイテイコウカナ



ほい!気を取りなおして東武日光に到着。

東武鉄道、何かと北の方角へ行くことが多いのでいつもお世話になってます。
土曜の8時半、紅葉を楽しもうとやってきた観光客やサイクリストがたくさん。
すーさんは既に現地入りしていた葛見氏の車に乗り込み、食料やら補給を済ませてこちらも準備完了。
ここから上りなので、ついでに荷物も積んでもらった。


2018年一番熱いカー&バイクチェイスがいま始まる…!(始まる前から遠ざかる車を見送る私)


いろは坂入り口に到着!
そり立つ男体山が視界に入った時点からもう「いい道」の予感しかしない。
というか今回のルート、名所づくしだけあっていく場所いく場所が大正解だった。


いろは坂には第1いろは坂と第2いろは坂があって、これがどう違うのかは既に知っている人には当たり前の情報かもしれない。
どういうこと?と思った人もいるかもしれない。何を隠そうルートを引く直前まで私も知らなかったひとり。

北回りの第1いろは坂は下り専用、南回りの第2いろは坂は上り専用の一方通行なのです。
(「トンネルが無いから」という理由でうっかり第1を登るルートを引きかけたのはここだけの話)
地図で見ると、車の流れが時計回りになっていると考えれば分かりやすいですかね。
標識を見間違えて逆走することはないけど、事前に気づけて良かったー。


いろは坂自体は500mちょっとの標高差で慣れていない人にも丁度良く、登りが好きな人には物足りないかなぐらい。
でも、今日の目的地は中禅寺湖のさらに向こう側。もうちょっと登っていきます。

この日はちょっと珍しいボトルを差しているので、簡単にご紹介!


こちら、昨年から運営している峠レビューサイト「RoadQuest」のオリジナルボトル!
自転車関連製品のレビューサイトは前からあったけど、まさか峠専門のサイトができるなんて誰が予想していただろうか。
夏の企画としてフォトコンテストが開催され、岩木山ヒルクライムの写真を有難いことに入賞作品として選んで頂くことができました。
「夏休みのヒルクライム」フォトコンテスト

賞品として完成ほやほやのオリジナルボトルを運営さんから頂きました。
これがめちゃくちゃデザインが綺麗で、すっかり気に入って本日のライドに持ってきちゃいました。
赤いバイクに挿してもよく目立つけど、「これを期に青い自転車が一台生えるのでは…」と危惧したほど。


ここまでは大して混んでなかった道も、ロープウェイ手前あたりで渋滞に。
うっかり交通トラブルにならないよう、極力ペースを落として。


中禅寺湖、戦場ヶ原、風も少なくとにかく天気も景色も最高の条件。
そこを横目に過ぎると車の数もがくっと減った。
メジャーなスポットはここまでで、これ以上標高が上がると紅葉が終わっているというのもある。
でも、本日の目的地は山奥の温泉地。


見えてきた!


湯ノ湖のほとりにある、湯元温泉キャンプ場。
中禅寺湖の菖蒲ヶ浜キャンプ場は10月末で今シーズン閉場となっていたので、今回はここをキャンプ地とすることに。


早速キャンプ場に行くと5月にも泊めてもらったくずみハウス!お邪魔しま〜す!!
設営もとっくに終わってめっちゃ昼寝してた(´ω` )スマンネ


キャンプ場に着いたらまずは散策!
湯ノ湖のフォトジェニック写真映えスポットを探して徘徊する3人。
改めて本日のイカれたキャンパーを紹介しますね。


葛見さわ氏( @kuzumi_sawa )
全国各地の滝で、もとい滝壺で写真を撮っている人。TREK乗りでもある。
今回のキャンプ機材については彼の記事にも詳しく書かれてます。
2018年 キャンプ記録 ~神割崎・五色沼・田沢湖・種差海岸・鬼首吹上高原・日光湯元~


すーさん( @su_san5392 )
引っ越しがやたら多い、いまは福岡に住んでいる人。Cannondale乗りのブルベライダー。
今度は日光まで自走してきてください!


お腹すいたし食堂で昼ごはん!テーブルにカメラを置く場所がない。
今夜や明日の計画をいろいろ相談。
戦場ヶ原は朝イチにしよう!あとは流れで。ということに(結局なにも決めてない)


キャンプ場で薪拾いをしていると日が傾いてきた。
山間で日が落ちるのは思った以上に早く、いっきに冷え込んで息も白くなる。
しかし人気もなく、綺麗な場所だ。


冬キャンといったら鍋!そして暖房代わりのアルコール!!
男3人もいるとあっという間に平らげ、つまみをつつきながらとりとめも無い話。
夏の三浦半島みたいなひとりキャンプもたっぷり時間があって好き。そして人とするキャンプはあっという間に時間が過ぎる。

そろそろ炭の残りも少ないし、いまのうちに温泉へ。


寒さを忘れていられるのは焚き火を囲んでいる間だけ。

この時間でも開いている温泉まではそれなりに歩いて、すぐに身体が冷え切った。
それから入る温泉が気持ちよくないわけがない!


紅葉シーズンも過ぎ去ったこの時期ならではのまったりしたキャンプと温泉を堪能して、あとは夜が更けるままに。


「寒い」

目が冷めて寝袋から顔を出したときのひと言。
外の世界に出るとテントに芝に、一面霜が降りている。
氷点下をぐっと下回っていたらしい。冬用のコートを着ても、もう一着欲しいぐらいの気温。
冬用寝袋ではなかったけどカイロが役に立って寒さで眠れないということはなかったのが幸い。

 

遊歩道まで短めのドライブ。
駐車場で買った缶コーヒーの熱も、手を温めてくれたのはほんの短い時間だった。


秋の戦場ヶ原は早朝に行くべき。
そう思った光景。
標高1400mにある湿原は、浅い角度から光が差し込むわずかな時間だけこんな表情を見せてくれた。


ディズニー作品で一面が凍ったり急に解けたりする描写、といえば伝わる人がいるかも。
ほんの10分ぐらいの時間であっけないほど元の姿に戻っていった。

いいもの見れました。


朝ごはんはシンプルに限る!できれば暖かいもので!(ラーメン一択)
チキンラーメン、牛乳とチーズで作るとたいへんギルティな飯と化すのでオススメです。



十分楽しんだのでキャンプも店じまい、さくさく撤収と洗いものを済ませて荷物を纏めた。
くずみハウス、今回もお世話になりました!

ここからは目的地が違うのでお別れ。
またそのうちに!


ひとり西へむかい、ここからさらに標高を上げていくルート。

国道最高峰といえば群馬-長野にまたがる渋峠、第2位が麦草峠。
そして奥日光のさらに向こうへと続く峠道が、国道全国3位の標高を有する金精峠!
折角ここまで来たら登らないわけにはいかない。

本日はキャンプ装備でがっつりヒルクライムの日になります。


「いい道」の予感がする光景ですご査収ください。


実際、ここはとても気に入った道になった。
なんせ、つづら折りをきり返す度に登ってきた道が見渡せる。日光の地が遠ざかっていくのが分刻みで分かる。
下からも上からも、これだけ見せつけられる峠というのは初めての体験だったと思う。

よく焼き付けてから、標高1840mを貫く金精トンネルをくぐる。
この向こうは群馬県だ。



情報を訂正しますサイレントヒルに到着しました。



確かに雲行きが怪しいのには気づいていたけど、山のあっちとこっちで変わり過ぎではw
路面もウェットで小雨が張りつく始末に。

ジャージ1枚ウインドブレーカー1枚で凍えながら1000m下る。
下りきっても標高は800m。
乗鞍のときもそうだったけど標高の価値観がおかしくなるねこれは('∀`)ハハハハハハ


めちゃくちゃそばの看板が充実し出してその中の一軒に吸い込まれた。
峠で体を冷やしたサイクリストを待ち構えているに違いない!

あったかいお茶と出汁が骨身に染みましたありがとうございました。


ずーっと凍結注意。
温めた体を今度は冷やして、セルフマッチポンプで一喜一憂するのも自転車旅の醍醐味と言い聞かせる。
日中でこの気温だから日が暮れてしまったら何度まで落ちるんだろう。

順当なルートならこのまま西の沼田あたりで輪行するところだけど、今日のヒルクライムは始まったばかり。
「折角ここまで来たんだもの、赤城山へ寄らない手はない」


(もしかすると、荷物があるときはヒルクライムしない方がいいのかもしれない)

今度は赤城山の北面から1000m差のアップ。
正直標高の感覚が麻痺していて半分ぐらいの難易度に感じていた()


霧がどんどん。
あたりの草むらから鹿の鳴き声。こちらに気づくとガサガサと逃げていく。


標高書かれてると山頂だと思っちゃうからやめて!!!!
(すごく何でも無い普通の場所にある看板)


山頂なら山頂って書いて💢💢💢💢

半ば遭難気分を味わいながら、北面の峠となる無名の峠にたどり着いた。
正確には「五輪峠」という名前だけど、自治体のプレートがあるだけで峠にまつわる看板は全くない。

本当は南面に降りるまでにもうちょっと登りがある。
つかの間平坦になるのは山頂のカルデラ湖・大沼があるから。
日が落ちないうちに山頂へ着いたことだし、景色を眺めながらどこか休憩できるところを探そうかな。


で す よ ね 。

おまけに休憩できそうな場所も全く見当たらなかった。
そもそも食堂的な場所がない気もするし、あったとしても霧が濃すぎて道路沿いにないと気が付かない。


日光で絶景を堪能してきて運を使い果たした模様(ノ∀`)アチャー
山頂が傘を被ってしまってポツポツと冷たい雨が降り注ぐ。
10℃を切り、指ぬきグローブで来たのを軽く後悔し出すももう遅い。

まあまだ日が落ちるまでは視界も確保できてるし、急いで南面の八丁峠を登ろう!


日が落ちました。

地獄のダウンヒルの始まりです。

普段まったくサイクリストが使わないであろう荒廃した雰囲気の険道16号。
視界は5mほどで、その先が右か左かも見当がつかず。
いくらVolt800で照らしても足元から突然穴やグレーチングが現れる恐怖。
稀に車も通るから、そのつど安全地帯を確保して先に下って貰う。
辺りの藪からは時折野生動物の気配。

慎重に慎重に、1000mほど下ったあたりでようやく安心したのが信号のある交差点。


いや〜気が気でなかった('∀`;;)アハハハハハハハハハハハハ

怪談だと下った先が人間の世界じゃなかった!みたいなことが普通に起こりそうなシチュエーション、比喩ではなく過去最高にやばいダウンヒルだった。
深夜に八甲田山を下ったときよりやばかった。


ラストが思いの外壮絶でそれどこれではなかったけど、
輪行ポイントの伊勢崎に到着してようやく旅の終わりを実感した。
今年のキャンプもこれでおしまいだろうか。いやもしかしたらもう1回どこかへ行くかも。

とりあえず今日のところはおしまい。


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