津軽の先っぽ



高いところが好き。それと高いものも好き。
峠しかりご当地タワーしかり、展望台と名のつくところはとりあえず立ち寄ってしまう。
展望台こそないものの、このブログでたびたび登場する青森にも「津軽タワー」が存在することをご存知だろうか。





数年ぶりの岩木山HCへ出走するために、2日前の4時半頃に家を出て上野駅へ。
帰りは飛行機を使うのでホイールバッグ持参。と、珍しく横置き輪行袋を使ってみたり。

個人的には縦置きの方が対応できる置き場所が多い点と担ぎやすさの面で好き。
慣れもあるし、人によっては高さの少ない横型の方が階段とか歩きやすいかも。
ただ、なんとなく重心とりやすい気がするのは縦型。それとハンドル周りの装備を解除しなくていいところが地味によかったり。

新幹線ならそんなに場所気にしなくていいかなーと横置きにしたら同じ車両の人が無理やりトランクをねじ込もうとしてきたり、うん今後はせめて縦置きにしよう。。
もちろんどうしても余計にスペースをとるのが自転車なので、譲り合いは大切に(それにしてもびっくりした)。

そうこうしている間に到着。


いつもの新青森…ではなく!

来ました本州最北端の新幹線駅。
奥津軽いまべつ。


天気は晴れ。そして強風。
低い雲が目に見える速さで流れていく。ていうか速すぎ!

青函トンネルの保守拠点・避難駅としての役割も兼ねて設置された、客数は日本一少ない新幹線駅。
駅の中にキオスクの類はないので、お隣の道の駅いまべつが補給ポイントになる。


がっぱら餅!

津軽地方の昔ながらのおやつ。
といっても買える場所は少ないので、つい懐かしくて買ってしまった。
最近見ないけど老舗の蕎麦屋さんなんかでデザート代わりに出されたりしたのが記憶に残っている。実家ではあぶら餅と呼んでいた。
ちょうど腹持ちもよさそうだし今日の補給食はこれで!


建物の陰で小物をいろいろ吹き飛ばされつつ輪行解除。
柱に立てかけたロードもいつ倒されるか分からない風速で、これが追い風であることを願うほかない。


竜飛岬で有名な津軽半島は「パンの袋止めるやつ」で青森県の形を例えたときの左側のでっぱりにあたる。

半島の北端にはV字型の三厩湾があり、今別はその中央にある小さな町。
本日はここを起点に津軽半島を半周するコース。



奥津軽ライド、いざ出発!


久々の海ライドでかなりテン上げ‎( 'ω' 三 'ω' )
そしてこの時点ではいい感じの追い風。ほぼ漕がなくても進むレベル。
会津の輪行ダウンヒル作戦が向い風で惨敗することもあればこういうこともあるし、つくづく天候に左右される乗り物だと思う。


R280沿いにひょっこり生えてる鳥居。


気になって見てみると、なんと岩木山神社の名前。

後から調べたところによると、ここは「郷土富士」ならぬ「郷土岩木」にあたる場所らしい…郷土岩木……?
青森の最高峰である岩木山には、旧暦8月1日に登拝するお山参詣と呼ばれる伝統行事があり、同じ風習は津軽地方の各地で見られるのだそう。つまり各地のお山を岩木山に見立てているということ。

ここはそんなお山のひとつらしい。
明後日のヒルクライムでは岩木山の8合目を目指すのだし、これも縁と思い入り口で挨拶だけしていった。


はあああぁぁぁー

海が荒々しい!

半島の北東端を目指す道すがら、岩木山神社のすぐ近くにあった鋳釜崎。
鋳物のような黒くゴツゴツした岩が名前の由来だろうか。
ここはあまり有名ではないが、今別の海上花火が見えるのだそう。


道路となりの滝ってセーブポイント感あって寄りたくなるんですよね。セーブセーブ。



本日のメイン目的地その1に到着!

半島の北東端、高野崎。
半島北東部、竜飛岬が目的地だと地味〜〜に通らない場所だったりするんですよね。
内陸の峠がそんなでもない割に距離は縮まるし、一周に拘らなければスルー可…みたいな。

「有名じゃない方の岬」
ネットにもそれ以上でも以下でもない、景勝地ぐらいの情報しか載ってない中。果たして。


視界が青い!たぶん、空のせいだけではなく。
人々が「竜飛」に持つのは人気のない荒涼とした、北の果てというイメージではないだろうか。おそらく、高野崎の景色はそれにより近い。
階段国道も展望レストランも、案内板もほとんどない。あるのは灯台と小さな食堂。
いやその奥にもう一つ。


海面に、道が続いている。




海に架かる2つの橋、潮騒橋と渚橋。
よくよく見ると塗料の剥げ具合が左右で異なる。そして床板も交換された跡。
それほど潮風のダメージがすさまじいのだ。




実際、この日の海面の風速はちょっとシャレにならないものがあった。

カメラのレンズを交換する際はしっかり握っていなければ冗談抜きで持っていかれそうだったし、身体は突風でそれ以上に揺さぶられて水平に撮れた写真もほとんどない。


カメラを守った分メガネの視界が水しぶきだらけ。はやく洗いたい!
実績「半島の北東端の北東端」を解除して、そそくさと地上へ。


【悲報】メガネすら洗わせてもらえない【でも洗った】


ここ一応キャンプ場としても無料開放してるんですよ。


ええ…

ここでキャンプ……するの…………????


山のふもとを時計回りに進み、東の岸に出ると約11kmの平舘海峡を挟んで下北半島がよく見える。
下北も去年走ったばかりだけれど、また尻屋崎の方にも行きたいな。
でも、今日の目的地はまだ全て回っていない。

進路が南寄りになって追い風効果も薄れてきた中、ゆっくりゆっくりとソレは迫ってきた。


電波塔クラスタの皆さん!!!!!


旧石崎無線中継所ですよー!!!!!!!!


1978年竣工、20年以上に渡って本州と北海道を結んでいた通信施設。
高さ89mのコンクリートの塊、その存在感は「ぼくらの」に登場するロボット(ヌイグルミ)を連想させる。


別名「津軽の塔」とも呼ばれ、役目を終えた今では青森最大の廃墟として静かに佇んでいる。


ツルがある程度しか伸びないのか冬の風雪が枯らすのか、未だに植物に覆われる気配もない。しかし鳥のフンが撒いたのであろう小さな木が見える。
ここがいずれ老朽化して撤去されるのは近い未来か、それともまだまだ先なのだろうか。



海まで下ったり、上空を見上げたりと忙しいライドになったけど、最後に高いところに登ろうと思う。
冒頭にも書いた通り、私は高いところが好きだ。


蟹田トップマスト。
最初は「物産館ね、フーン」と、補給も間に合っているし弘前に向かう時間も差し迫っていたのでスルーするつもりだった。
その建物に展望台がついてるのを見て、そのまま吸い寄せされる私。


高いところは好きだけど怖くないとは言ってない!!!!

ただでさえビンディングシューズで滑りそうなのに。スマホ落としそうで手が震える。ちょっとコレ設計ミスじゃないんですかね。




「うみのシマシマがみえるうぅぅぅ!!!!!」


市街地のタワーと違って、蟹田港の住宅地にいきなり生えてる感がポイント高いですよ。地形的に、雨上がりの透明度の高い条件なら青森市街地もここから見えるはずだし(早口になってきたのでここで畳む)


その青森市街地に入った辺りで思い出したけど、そういえば今日のルート信号がびっくりするぐらいなかった。交通量も。そしてクルマが少ないせいか道も特に荒れていない。

関東住んでからこういう道が貴重になってたのもあるけれど、国道280号、何気にお気に入りの道になりました。


弘前に帰省して明後日はヒルクライム。
岩木山の記事も後日1本書こうと思います。おわりー。

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