第2回相馬復興サイクリング(前編)

休日が都合よく晴れるとは限らない。
特にイベントごとのある休日は、マーフィーの法則に従って尽く降りがち。良く見積もって半々。
雨の多い日本で晴遊雨働の晴天祝日制の導入が待ち遠しい日々。
しかし、もっとお手軽に100%晴れ男を実現する方法はある!
そう、イベントが晴れるまで参加し続ければいいだけのこと。
昨年は台風に見舞われた相馬復興サイクリングのリベンジ参加!前編です。


去年は帰省する用事もあって、東京→青森→宮城→福島→東京を3日間で経由する強行軍だった。

今年は東京から直行!
「前日ライド・現地前泊」と昨年できなかったゆったりプランを果たしに行こうかと。


先月ぶりの"やまびこ"から降りた駅は郡山。

2017年の会津若松ライドでは、ここから山を越えて西へ向かった。
今回は北東方向、やはり山を超えて100km先の相馬まで福島中通り〜浜通りツーリング!


くねくねしながらも大体は一本道、いくつかの山と町を辿っていく。

もうちょっと北側の福島まで輪行すれば距離は短く道も分かりやすいけれど、イベント当日のコースとも被っちゃうしということでこっちのルートにしてみた。
郡山は東北の中でも大きい街だけど、郊外へ行くとあっという間に人里の気配が無くなる。


しかしアップダウンもあって木に囲まれて普通に山の中なんだけれど、どうにも人の気配が途絶えない。
コンビニも定期的にあって、道路脇の水田からはモリアオガエルの声が聞こえてくる。

後日Googleマップの空撮を見てみたら、郡山盆地の東部はちょっと不思議な地形だということが分かった。


郡山を中心とする盆地と、その東部から太平洋側まで広がる山間部。
拡大すると、縦横無尽に森林を縫うような道が張り巡らされている。

これ、めちゃくちゃ昔ながらの農村の道がそっくりそのまま残ってるんですね。




(地理については素人なので以下推測…)

日本地図を見るとむしろ多くの場合西側(猪苗代湖方面)のように、河川や扇状地に沿って開拓された土地が亀裂のように現れるところが、この地域はどこから水が流れるのかぱっと見予想がつかないぐらい複雑。

森が丸ごと切り開かれていないのは平野まで行かない丘陵地だから、そして山岳ほど高低差がはっきりしていないからこんな形で開拓されたんだろうか。

切り立った地形の多い日本、こういう土地って珍しいかもしれない。

景色に対してなんだか脇道や車通り、コンビニが多いなと感じたのはこういう訳か…
と、少し納得できた!
詳しい方、掘り下げた情報お待ちしてます。


なにやら主張のえげつない精米小屋を発見。


新時代システム。

見出しの誘導が完璧過ぎてつい読みふけってしまう。
農業は盛んでも米の栽培はあんまり多くない地方で暮らしてたので、精米所って案外馴染みが薄い。
「なるほどわからん!」
先へ進もう。




距離感の近い鉄道。
どこかへ繋がってそうな脇道。
色んな品で溢れた商店。

そんな何気ない景色が何気なく続く道。


27km地点でこんな看板が。
多少アップダウンがあるといっても勾配は緩やかで、風も無い日。
宿に約束した時間にはまだまだ余裕があるし、サクッと寄ってみましょ。

でっかい塔とか廃墟とか好きなのは過去の記事に書いた通り。
もちろん巨木も守備範囲内。

どれくらいのもんか見てみま


でっっっっっっっっっっ


思った以上に立派な杉だった。

「杉沢の大杉」樹高45m、幹囲12.3m。
まごうことなき巨木、そして樹齢1000年とも云われる古木にも関わらず樹勢が凄まじい。
見たことがある中だと「関の甕杉」も結構大きかったけど、こちらは枝ぶりが盆栽のラスボスみたいなことになってる。間近でよく見ると小さな森みたい。


この木が女性に化けてお伊勢参りをした、という言い伝えもあるとか。

ちょっと飛梅伝説みたいですね。


5月末にそぐわないかんかん照りの夏日。
水分消費も激しくボトルの水は頻繁に補給した。
100kmぐらいなら1本でも間に合うけれど、人気のない土地だったらもう1本必要だったかも。

自販機目的で立ち寄ったとある農産直売所。
足元に何か沢山落ちてる。



コンニチワ、コンニチワ…!


旧東和町に入ると、何やら道沿いに人形的なものが増えてきた。
子供会が作ったようなものもあって、祭りの山車か何かで使うのかも。

と思って、ちょっと調べたら出てきた!
「あばれ山車」という歴史の古い祭りで、このサイズの人形山車を激突させてぶつけるんだそう。
なにそれこわい!

どっちかというと弘前ねぷたみたいな大人しい祭りしか知らないけど、あばれ山車、実際見たら楽しいだろうな…

針道のあばれ山車 -二本松市公式ウェブサイト




いや怖いって


旧東和町を後に川俣町経由で飯舘村へ。

余談だけどR349のこのトンネル、過去最高クラスに快適だった!
狭いトンネルはこの世で最もイヤなものの一つだけど広いトンネルは安全で涼しくて大好き。
このやたら広い歩道、農業機械でも通るのかな。



約50km地点、飯舘村。


初見だけどもただいま!

昼過ぎ、この辺で気温としては一日のピーク。
さっき補給した水もあっという間に空っぽになってしまった。


空気を読んだかのように颯爽と現れる看板!
道の駅までい館。

道の駅はご当地グルメやお土産が充実してる一方持ち歩ける補給食はコンビニほど何でもは置いてなかったりする。
けれど、ここはありがたいことにセブンイレブン併設。
おまけに冷房の効いたイートインまで!午後2時の熱気をうまくやり過ごせた。



たっぷり30分ほど滞在して出発。


10頭近く横断してた猿の群れ。

遠くから見てたけど、雌雄や年齢で渡る順番があるっぽい。
全頭渡りきったあと通り過ぎざまに一瞬横に視線を流したら、ちょっと威嚇された((('∀`)))



飯舘村に入ってからの道は標高400〜500mのほぼ平坦路。
ラストの八木沢峠がカクっと急坂になっていて、あとはそこから500mを海まで下っていく。

相馬市方面という理由で選んだ上真野川沿いの県道がいい道だった。



水辺の景色を眺めながらのダウンヒル!
上り坂の景色は休憩する口実になるけど、下り坂は進めない原因にしかならないから困る。

川面に降りられるなら降りてしまいそうな場所にも何度か遭遇。
そして蛙クラスタなら渓流でおなじみの、笛のような鳴き声。



カジカガエルですね( ´ω`)

「綺麗な鳴き声から、江戸時代は籠で飼育されていた」
との話もよく耳にする、国内流水棲カエルの代表。

カジカ、ちょっと飼育難しめな気がしないでもないけど昔の人はそうでもなかったんですかね。




下り終えてラストの平坦区間20km。
北へ北へ!

明日のイベントコースでもある松川浦の北岸、「ホテル喜楽荘」に到着したのは目標ぴったりの17時頃。
こちらは相馬復興サイクリングの提携宿でもある。
フロントへの自転車持ち込みOK!そして宿泊証明書を明日会場で見せるとお土産付き。

何よりひさびさのホテル泊、フカフカの布団と食事と風呂のことを考えるだけで気持ちが高まる!


受付で5分ちょっと呼び鈴を鳴らしたり奥に呼びかけたりしてたら人が出てきた'`,、('∀`) '`,、

ちなみに私はこういう緩い感じは全然気にしない人です。
対応や案内も親切で、先におフロに入りたいということで食事の時間も調整して頂いた。
そしてフロントの自転車置場はというと、、、


ヨシ!

もし油圧仕様でも最近のメカはそんなに問題にはならないそうだし、まぁ私は困らなかった!
いやでも実際天候次第では軒先で濡らすことになりかねないし(特に今回は輪行袋持ち込みも難しい和室の宿)、屋内に置き場があるだけでも有り難い。



このホテルを選んだ理由のひとつが、去年も走った松川浦を眺めて一晩を過ごせる好立地。
部屋だけでなく浴場の大窓もここに面していて、人のいない早めのぼっち風呂で夕暮れを眺める。
最高か…。




夕焼け見ながら風呂ってさっぱりしてる間にご飯できてる is 神。
一人暮らしで海鮮を食べる機会も多くないから海辺のご飯って幸せ!

満腹で部屋に戻って布団に触れると、あっという間に気を失って深夜になっていた。
夜間も開いてた駐車場のコインランドリーで洗濯を済ませ、明日の準備を整える。

スマホで確認した天気予報は、昨年の台風を帳消しにお釣りが来そうな晴れ予報だった。


第2回相馬復興サイクリング 後編へつづく!



ジェナは最近オンロード/オフロードを28C軽量タイヤ〜45Cブロックタイヤで使い分けてみたり。
振れ幅が超激しい。

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