環島Part.2 日照りとトラブルと次の街 / 台北-新竹

午前8時、起床。
洗面所から外を覗くと、台北の街には相変わらずエンジンの音が鳴り響いていた。
人口260万人の大都市を離れて、「台湾のシリコンバレー」新竹シンジュ-を目指します。



シリコンバレー、行ったことないんですけどね。
新竹市は43万の人口を擁する都市で、そこもやはり大きな街。
これから走る西海岸は貿易・工業で栄えている土地が多いのでそうした土地を巡ることになります。

ちなみに前日、台北到着編はこちら

ほとんど1號線を通るし、道沿いから離れた施設はあまり見られないかな?
ライド初日ということもあるので、台湾の交通事情に慣れるのが最優先。


昨夜はシャッター街だった商店が次々に開店。
自転車のタイヤだと思うけど、こんなに在庫があって捌くことができるんだ…
いや、小売りではないんでしょう多分。

店主に声をかけられたので軽く話しました。(もちろんほぼ通じず!)

台湾各地を巡っていろんな人と話した印象ですが、やっぱり日本語が通じる人は珍しい。

日本における英語のイメージに例えると近いというか
ハローとかサンキューとか簡単な会話ぐらいなら音とセットで覚えてたりするけど
会話が出来る人は結構珍しく、そして流暢に話せる人というのは滅多にいない。
(具体的には数十人以上現地の人と会って、ネイティブと遜色ないほど会話出来る方は1人、難しくない単語を選べば会話できる方に3人ほど出会いました)

逆に言えばそれぐらいの確率で日本語が通じるという国も、ここ台湾だけなのですが。。


ちなみに台湾では宿だったり駅だったり、エレベーターでの自転車運搬がオーケーな場面が割と多かったです。

駅の場合は自転車OKの掲示があったりするので、それに従いました。


また昨日の荷物預け所へ。

もちろん受け取りではなく、ノブさんの輪行ケースを預けにきました。
昨日ノブさんが現地入りしていた時刻にはもう閉まっていたので、10時の受付開始と同時の到着。
やはりタクシープールのすき間を縫ってたどり着きました。


こちらは組み立て済みなのでツイッターしながら見てるだけ(_ ˘ω˘)_

さて、1號線のスタート地点とされる場所へ向かいます。
いやまあ台北駅が一応街の中心だしここからスタートしてもいいんですが、折角なので!
キャノンボーラーが大阪梅田新道〜東京日本橋をスタートorゴール地点にするのと一緒。


6km離れた松山駅に環島のスタート地点というのがあるので、そこまで試運転。


現代ではGPSナビという文明の利器があります。
電波の届く場所ならどこでも現在地が分かり、事前にルートを設定すれば目的地に着ける優れたアイテム。
これのおかげで道迷いも減り、他のどんな自転車機材より旅のスピードアップに貢献してきてくれました。

今回も、GARMIN EDGE 510Jには環島1000km分のルートをインプット済み。
早速松山駅までのルートを表示し…。
表示……。

起動、しない。



ァ'`,、'`,、'`,、'`,、('∀`)'`,、'`,、'`,、 '`,、

そういえばそうだった。
このガーミン、現行モデルより圧倒的に内部メモリが少ないのでデータサイズに制限があります。
仕方ないので初期化で中のデータを消して再起動。

510Jは地図表示にも非対応なので、画面には真っ白な背景に現在地を示す矢印のみ。
こうなるともうただのログを残せるサイコン。
というわけで、道案内は九分九厘ノブさんの先導でお願いすることに。
それもあってGoProで撮影した景色はノブさんの後ろ姿が多いです'`,、('∀`) '`,、

環島ライド、スタート前からなかなか楽しませてくれるようだ…… ただの自爆です


10:50 松山駅到着!愛媛じゃないよ。

ここから1000kmの台湾一周旅(厳密には一部輪行区間あり)が始まります。
タイムアタックでもなければ限界ツーリングでもない人権ライド、の予定。

しかし、たぶん普通に自転車抜きで台湾旅行に来てたら無かった緊張感と期待感もありつつ。
今日寝る場所や食べ物や景色なんかに思いを巡らせながら、出発です。



スタートから1.5km地点のセブンイレブン、到着です。

だって朝から忙しくてろくに補給してなかったし、水も炭水化物も足りてなかったわけでして。
コンビニ弁当を腹に詰めておにぎりを背中にセット。

コンビニの食料は全体的に(日本の感覚より)一段階安いです。
日本のコンビニで飲料込み500円の食事だと成人男性には物足りないですが、台湾のコンビニだと500円でとりあえずお腹は膨れるぐらいの違い。

ただし2Lの水はそんなに割安でもないです。というかこれは日本の2Lボトルが異常に安い!
日本だと500mlボトルと2Lボトルが似たような価格で売られてますが(改めて考えるとどういうことなの)、台湾だと普通に500ml4本買うような価格。
ここは水事情の違いがあるんでしょう。

台湾は基本的に水道水は飲めないので安全な水を手に入れるにはいくつか方法があります。
コンビニ以外についてはまた登場する機会に。


腹ごしらえを済ませて再出発と同時に再停止!えぇ…

ノブさんのチェーンが脱落しました。
久しぶりに見たリドレー、なかなかキワキワのチューンナップの様子。
この後は何事もなく走行再開できました。

バースト含むパンクとチェーン切れまでの故障は対応できる装備なので、スポーク折れたりしなければ支障はなし。


冒頭でも書いた通り、台北は大きい街でした。
多様な交通機関に店舗と施設、郊外の山にまで文化施設が色々と。

人口としては台北市が名古屋市くらい、約700万人の台北都市圏は名古屋都市圏ぐらいのイメージのようです。
(というか名古屋がめちゃデカい件)

今日はこのまま通過するけど、無事戻ってきたらまた観光するぞ……!


市街地エリアでは結構曲がり角が多い1號線。

割と細かい間隔で路面標示と案内板があるので、逸れたら早めに気がつきます。
看板を見落とさなければ、GPSナビなしでも何とかなりそうな親切仕様。


ビルの合間を縫って台湾三大河川、淡水河ダンシュイホ-の広場へ。

大稻埕ダ-ダオチェン碼頭廣場。
19世紀に貿易の中心地となった淡水港は、茶葉の輸出で栄えたそう……といまググって知りました。
現地を訪れたときは「空が広くなった!」というのが真っ先の感想で、広場の成り立ちも知りませんでしたが
ブログに起こすにあたって振り返ると色々な事に気付かされます。


快速帆船と呼ばれていた当時の船が1日かけて移動する距離を、たった20分で移動する乗り物。

開港当時の面影を想像するには、やはり時代が変わりすぎているようです。



空が開けると同時に日光を遮るものもなくなり、いよいよ暑くなってきました。
日照りの強さ、湿度、10月とは思えない気温です。関東の残暑並かそれ以上かも。

ここで初めて自販機を利用!
25元(約90円)でスポーツドリンクのボトルが手に入りました。

……あ、ちなみに(やっぱり)結構甘かったです。


広場に長居してると干からびてしまいそうだし、そろそろお暇しようか…

ボトルに飲料を移してビンディングを嵌めて、出発後数十mでまた停車。
あれは…あれは……


ZOIDSだ!!!!!!

いや、ゾイドですよね?これ。
違うにしても何なのかめちゃくちゃ気になるので知ってる方は教えて下さい。

ちなみに機械の恐竜=ゾイドかといえば決してそんなことはなく、恐竜モチーフのロボなどは世に沢山あります。
そこでゾイドっぽさを判断する基準のひとつに「関節のポリキャップの有無」というのがあります。
この像は、兵器化される前の野生体ゾイドっぽいフォルムをしていますね。

違うにしても何なのかめちゃくちゃ気になるので、知ってる方は教えて下さい。

ゴジュラスギガ(僅差でゴジュラス)が一番好きなゾイドです。


地面から大きくせり出した電波塔の基礎。

よくよく見ると周囲は駐車場や運動場、雨季はこのぐらい増水するってことなんでしょうか。




都市部の河川敷サイクリングロードは、走りやすさも橋のアップダウンも日本と似た感じ。
工事区間を迂回して少し迷ったりしつつも、快速巡航。


国内ツーリングでも川沿いのルートというのはよく選びます。
サイクリングロードが無かったとしても、なにせ交差点も起伏も少ないことが多いから。
遡上なので分岐が無くもないけれど、地図を見なくても迷いにくいというのは気持ちが楽です。


ただし、何十kmも店がなくて補給がままならない…というのも河川敷あるある。

11時過ぎにスタートして気温もさらに上がってきました。
ちょうど一般道に戻るので、14時台はコンビニ休憩を挟むことにします。



うまー




これは同日別のコンビニのフードコートで見かけた広告。
良いか悪いか、特にコンビニで過ごす時間は海外にいることを忘れそうになります。

さて、サイクリングロードを離れて一般道へ戻ったわけですがスピードはあまり落ちませんでした。
というのも、台湾の1號線は実質ほぼサイクリングロードだったからです。


「機慢車」と書かれたレーン。

これは125cc以下のバイクと自転車用に設けられた空間で、9割はバイクが走っていました。
日本だとこういうタイプ以外に歩道拡張型や車道にペイントのみと乱立している印象の自転車レーン。
写真を見ての通りレーンを塞いでしまう路上駐車というのはほぼゼロで、バイクとの並走も大して気にならず快適に走れる区間がほとんどでした。



狭い裏道でも自転車歓迎のこの待遇、羨ましいなぁ…

日本には日本の道路事情があるけど、同じ島国でこういう整備も出来るというのは発見でした。



流石に街中にさしかかると手狭感は出てきます‎('ω' 三 'ω')

そんな訳でいつの間にやら新竹市にやって参りました。


台湾あるある。
道路沿いにコンビニ感覚であるヘルメット店!
少なくとも環島のコースでは無限に見る光景となります。

ほどなく今朝予約していた宿に到着、時刻は19時台。
ホテルのフロントでは中国語オンリー(またしても!)のスタッフさんがおられました。

とはいえあちらも慣れていることだし、パスポートを見せてチェックインするだけ……と、ここで問題。


今日の予約担当のノブさんによるとWebでクレカを登録して宿代は前払いした筈、とのこと。
フロントによると予約はされているが未払いなので代金が必要、とのこと。

翻訳アプリを通す必要がなければもっとスムーズに解決していたのかもですが……これは「予約サイトが保証にクレカの情報を控えていただけで支払いはされていない」という単なる勘違いでした'`,、('∀`) '`,、
受付の人も根気よく説明してくれて、フロント近くにいた地元のおじさんは我々が中国語をほとんど読めないことを察して「朝食を出す店が遠いからいま道案内するよ」と申し出てくれました。

昨日に続き自転車は建物内に駐輪。
いたれりつくせりでいい宿過ぎやしないだろうか…

心園生活旅店 / 新竹市

朝食付ツインプラン 約2,180円/人
設備  大きめテレビ、ふかふかのベッド、飲水機
水回り 3点式ユニットバス シャワーは排水溝ではなく床へ流れる
対応  にこやかで親切



内装 


……はい!

いや、でも実際いい部屋でした。

いつもの感覚で言うと「ネカフェ〜カプセルの価格でビジホより広い部屋に泊まれる」という感じ。
水回り、新しめの宿はそうでもないらしいですが排水の設計が甘かったりトイレに紙を流せなかったり、そこは多くを求めるのが違うのかなという気がしますね。

ふかふかで清潔なベッド。これに勝る快楽はなし。


シャワって着替えて晩飯へ。

ようやく現地グルメっぽいご飯、魯肉麺ルーローミェン
甘醤油で煮込んだ豚肉のかけご飯「魯肉飯」の方がメジャーらしく、それを麺にしたもの。


うまー
和食の出汁とも違う醤油ベースのスープ、油は薄めで若干甘口。

コンビニ以外で初めてちゃんと外食した。
店の奥側には厨房が無く、とてもとても簡素な造り。


厨房は店の表側にあります。
口頭で注文して中の適当な席で待つという、ほぼ屋台スタイル。
おばちゃん数名がせわしなく働いていて、地元客向けっぽいけど注文は難なく出来ました。

店を出るとき付け焼き刃の中国語で「おいしかった!さよならー」と告げるとニコニコ顔で見送ってくれました。うん、なんとかやっていけそうな気がしてきたぞ。




ちょっと筆談用の手帳とペンを買いに文具店に立ち寄ったり、ビンディングだけで散策は不便なのでスポーツショップでサンダルを買ったりしました。

現地の自転車店というのはやっぱり気になって覗いてしまいます。
ここのお店はスポーツ用品の一角としては、パーツや工具まで結構行き届いた品揃えでした。


治安の良さを感じた場面。

近所の広場でかくれんぼをしていたようです。
夜に子どもが外遊びできるというだけでもかなり安心感がありますね。。



ノブさんは自力で洗濯するとのことで、ひとりブラブラしながら初ランドリー。半ば散歩の口実。

……なるほど、洗剤なのか柔軟剤なのかもパッと見分からない。


コインランドリーがある場所でまた泊まるとは限らないので、まとめて綺麗にしときます。
行き当たりばったりの一周は始まったばかり、まだ明日泊まる宿も決まっていないのだから……。

目指す街は台中市。
現地にとけ込んだり装備を整えたりしながら、旅路の続きに備えます。


続く!

コメント