そらちグルメフォンド2023 / 当日編

そらちグルメフォンド。
その名の通り、空知地方の食と観光をテーマにしたファンライドイベント。
美唄から現地までの様子と、大会本編の模様を綴っていく。


雨天、渋滞、かけこみスタート



札幌〜美唄を走った前日編はこちらから。

朝目覚めた時点で、生憎の空模様。

これは天気予報でも知っていたからいたし方なし。朝方が一番降るらしいし、後半晴れてくれればラッキーぐらいの気持ちで支度をする。とりあえず泥除けとレインジャケットは準備してきたので走行に支障はないだろう。

出発したのは6:30頃。

途中のコンビニで朝食を確保しつつ、ハイエースで現地へと赴く。美唄からいわみざわ公園までの距離は約25km。スタート時刻は1時間後だけど、車なら余裕で間に合う計算だった(過去形)。


いわみざわ公園に差し掛かると大量の車が!視界の端から端まで車列。

早朝スタートで雨模様、近くに鉄道もないのだから多くの参加者が車でやってくるのは予想しておくべきだった。どうやら公園の芝生を臨時駐車場にしているらしく、参加者の到着ラッシュに駐車整理が追いつかない様子だった。なんとか右折して車列に入れてもらって会場入り。

2024年は札幌から直接レンタカーで行く予定だけど、30分以上早めに着くようにしておこう。


エントリーしていたロンググラベルコースのスタート時刻は7:30。ほぼジャストタイムで受付を済ませ、あわあわしながらスタート地点を探す。公園に来たのがそもそも初めてで、よく分からない経路を辿りつつなんとかゲート前に合流できた。


「参加者の集合がまだのようです」と司会の方々。
それ我々です!いやあ申し訳ない。

この時点では雨も一旦落ち着いてきて、ほかの参加者もジャケットを脱いでいる人が多かった。


気を取り直してスタート!

ざっと数十名のロンググラベルコース参加者とともにゲートをくぐった。

なんだかんだ自転車で走れる天候で済んでよかったよかった。


公園は北海道グリーンランドに隣接していて、ランドマークの観覧車の隣をかすめて園内をゆく。ここは流石に、普段は自転車通行できないのではないだろうか?なんだか得をした気分だった。


スタート直後は雨脚が強まり、一旦停止してレインジャケットを装備した。一眼レフは防滴仕様だから濡れても構わないけれど、サイクルジャージの後ろポケットに入っているコンデジ、GRIIIがネック。リコーイメージングから防水GRが発売されたら一生ついていきたい。

身体につける雨天装備はこんな感じ。

・レインヘルメットカバー / パールイズミ
・サイクル ドライシェル / モンベル
・ドライサイクル ウエストバッグ / モンベル

モンベル製品2つは今日のために用意した新顔たち。

ドライシェルはこの記事を書いてる時点では生産完了となってしまったが、通常のジャケットで内側に配置されるメンブレンを外側に出したシェイクドライ生地を使うことで、文字通り振動だけで水滴が落ちていく圧倒的な撥水性や透湿性能を実現したレインジャケット。

ドライシェルの欠点はメンブレンが摩耗に弱い点で、このジャケットを使うといつものようにカメラをたすき掛けすることができなくなる。そこで防水ウエストバッグを追加して一眼レフを収納するスペースにした。防水フロントバッグという手もあったけど、今回は振動の激しいグラベルコースなので除外した。


レンガで舗装された暗渠を進む。

岩見沢といえばレンガ造りの駅舎がお洒落で街の景観にも工夫を凝らしているイメージがある。後になって知ったけど、かつて「岩見沢レンガプロジェクト」という市民参加クラウドファンディングのようなものもあったらしい。

雨天だとスリップに気を遣うけど、太めのグラベルタイヤなのでロードバイクより安心感がある。制動力の甘い機械式ディスクブレーキも、雨水を拾いにくいメリットは遺憾なく発揮された。


この日は4人グループで走行した。全員同じサイクリング部の出身。

つっちーさんはNINER RLT9 STEELで参加。まさかのキャンプ用テーブルを携えている。エイドできちんとご飯を食べたいとのこと。丁寧な暮らし is 大事。

狐古先生の無事カエル印のサイクルジャージよいですよね。
なお、当日筆者は秘密結社チャリノリティーを着用。


KUALIS
のオーダーチタングラベルバイクで参加のすーさん。

フォーク裏やトップチューブのペイントは弘前の桜がモチーフになっている。なんと神戸から飛行機ではるばるやってきたフットワーク軽々の民。


CANYON Grizl
で参加のしゅうせー氏。

最近まで直接面識はなかったけど、北海道に移住してからというものサイクリング部関係の交流が広がった。たまに会うと虫と鳥の話をしている気がする。


以上のメンバーでロンググラベルコース115kmを走破する予定。

グラベル込みでスピードが出ないはずなのにロングコースより15kmも増えている、いったいどういうことなのか責任者に問いただす必要がある、責任者はどこか。(言うまでもなくロングを選んでエントリーした参加者の責任)


雨で濡れた砂利道は過酷ではあるものの、こういう機会でないと走らないしと気持ちを入れ替えてガタガタ滑るように登って下る。メガネに水滴がつきまくって視界が遮られがちなのが辛い。とりあえずダウンヒルも控えめスピードで安全マージンをとっていく。


はじめてのエイドステーション


そうこうしている間に三笠エイドに到着!


三笠 白川とうふ店のいなりずし。

ここでうっすら気づき始めた。

「もしかして、朝食いらなかったのでは……?」

115kmのグラベルライドで空腹になる暇もないフードファイトが始まるのは、もう少し先の話。もちもちとおいなりさんを味わっていると、視界に見知った方の姿が。


見知った姿といいつつ初対面。もしかしてこーへーさんですか?

もともとTwitterで知り合った方で、今回はNEILPRYDE BURA SLで参加。こーへーさんのコースは舗装路ロングだったのでライドは別々だったけど、こうして遠方の人と挨拶ができるイベントもなかなか無い。

そらちグルメフォンド、会ったことがないのに会ったことがある気がする方々が結集している。お祭り的な空気感が楽しいイベントだなあと改めて思った。


三笠エイドを通過すると予報通り、しだいに天候が回復してきた。

フルフェンダーじゃないとどうしても後続に水を撒いてしまうので、路面が乾いてくれるだけでも気持ち的に楽だったりする。


橋を渡った先が美唄エイド。はやい!

そして提供されるのは……


炭水化物と炭水化物で炭水化物がダブってしまった!
なるほど……そらちグルメフォンドは携帯食抜きで十分なんだな(慢心)

ウンうまい!

角屋やきそばは袋入りのシンプルな焼きそば。炭鉱労働者が手の汚れを気にせず食べられるよう、そのままかぶり付けるように作られたんだとか。おにぎり感覚で食べられるし塩分補給にもなるし、サイクルイベントの補給食にはうってつけ。

中村のとりめしは中村地区に伝わる郷土料理とのこと。遠方の客人をもてなすために鶏を米に炊き込んで振る舞ったのがその始まりだったという。


美唄の農道グラベルをひたすら進む。

農地まわりの道は見晴らしもよく水の流れもあったりして結構好き。私有地だったりすることも多いのでそれほど気軽には入れないけど、コースとして開放されていると気兼ねなく走れて安心できる。


あと、斜度のある林道と違って石が細かいのも走りやすい。

北海道は一般車が通るような道でもこういった雰囲気の砂利道が結構多い。雪国なので路面はどうしても荒れがちだし、MTBで自走するには広大すぎる。やはり1台に絞るならグラベル系が一番楽しい土地かもしれない。


この区間はそこそこ距離もありつつ、平坦メインなので気持ちは楽だった。

次第に雲の隙間から青空も見えてきて、いい意味で予想が当たった。


各まちエイドに到着!


栗山カットメロン!!!!!

暑さが増してきたタイミングの果物、ありがたみも倍増。ちなみに各エイドでは水 or スポーツドリンクが補給できるので、夏場でも500mlボトルがひとつあれば乗り切れてしまう。ダブルボトルだとアップダウンの負荷も増すのでありがたい。


「補給はいくらあってもし過ぎるということはない」
という運営理念でもあるかのような食の暴力を感じつつ、次のエイドを目指す。このとき既に、ある確信が芽生えていた。そらちグルメフォンドは常にカロリー黒字のフードファイトサイクリングだという確信である。



折り返しの石狩川


石狩川にかかるみらい大橋を越えて月形町へ。

橋を越えた場所にセコマエイドがあった。


スポンサーでもあるセイコーマートが提供する小型のエイドステーション。

小型とはいっても、通常のサイクリングイベントのエイド並に充実している。


水、スポーツドリンク、お菓子、塩タブレット。
「わかってますよ」とばかりの充実のラインナップに大いに助けられた。

セコマエイドの補給食は後半にいくに従って在庫の余裕も見受けられたので、足攣り対策の塩タブレットは少し多めに頂いてもいいかもしれない。ボトルの中身は洗うのが楽な水だけでなるべく済ませたいが、そういうとき紙コップでスポーツドリンクを補給できるのも嬉しい。


すっかり晴れた。

雨上がりの湿度と正午過ぎの気温、そしてロングコースの山場であるプチ山岳コースが待ち構えている。といっても標高100mに満たないアップダウンで、2023年のコースは全体的に坂が少なかった。そんなこんなで川沿いの砂利道をゆるゆる登っていく。


幸い砂利も乾いている。


この区間は本当に気持ちのいい気候だった。
真のそらちグルメフォンドがここにあった。


山の向こうの月形エイド

この施設は小学校跡地を活用したギャラリー兼スタジオの「月形アートヴィレッジ」。


農作物がたくさん入ったスープカレーと特産のトマトジュース。

ここからゴールまでの区間も長いので、いいタイミングでの炭水化物投入だった。相変わらず自前の補給食はまったく減る気配がない。


小高い丘から眺める青空。

これぞ北海道という景色の連続で、そらちグルメフォンドの長年の人気にも納得がいく。


登ったら下りが待っている。車通りも少なくて快適。

これはグラベルライドの個人的なあるあるで、「なんだかんだ後半区間は舗装路の文明の有り難みが骨身に染みてくる」という現象がある。砂利は楽しい。その後で快適なアスファルトの走り心地を味わう時間もまた楽しい。


突然のジャングル区間。さよなら文明。

ソロならなかなか気づかないようなちょっとした裏道に突然引き込まれるのがグラベルイベントの面白さでもある。しかし夏の盛りだけあって草葉の密度がすごいことに。



ラストスパート&かけこみゴール


行きと同じ橋を引き返して石狩川の東岸へ。

さすがにエイドでのんびりしすぎて、気がつくと割と最後尾側のグループになってしまっていた。ここからはほぼゴールを目指すだけなので、ペースも上げながら南下していく。

ここでつっちーさんにトラブル発生。パンクしたとこのことで、他のメンバーは先行することになった。残り時間的にどうなるか……とりあえず我々は完走を目指そう。

14時台で最も暑い時間帯。

コンビニがあったらアイスを買ってしまいたくなる真夏日だった。


あるんかい!!!!!

セコマエイドがここでも全力を出してきた。時間も押してはいるけどここでアイスをスルーする手はない。


続いて各まちエイド序盤の炭水化物攻めに続いて糖分ラッシュ。

すでにゴールも近いので満腹の人は食べずに持ち帰る手もある。個包装のお菓子というのがまたサイクルイベント向き。もうすでに参加費の元をとっているのは気のせいではないかもしれない。


最後のセコマエイドで水分をとっていたら、つっちーさん合流

パンク修理を済ませてかなりのハイペースで追いついてきた模様。


昨日も見たあの観覧車が出現!


メンバーも揃ってここまで来るとひと安心、ウィニングランの気持ちでゴールを目指す。

Photo by こーへーさん


115kmのロンググラベルコース、無事に完走!!

だいぶ後ろの方にはなったけど、会場が撤収する前にしっかりゴールできた。


グルメフォンドを完走したらどうなる?
知らんのか、グルメフォンドが始まる。

完走後もまだまだ続く食料提供。

さて、会場内に気になるブースがあったので立ち寄ってみた。


洗車コーナー!!

洗車用クリーナーのメーカー「Wing M」のブース。泥汚れから油汚れまでその場であらかた流すことができる。へろへろで帰宅してからの洗車はたいへん億劫なので、すみやかに列に並んで洗っていただくことにした。


泥まみれの自転車の室内保管、すなわち家庭の危機
は無事に回避できた。

写真の蓄圧式洗車クリーナーがあると、油系はともかくおおまかな泥汚れだけなら水だけでも結構落とすことができる。洗車体験の料金は200円。破格。



ビフォーアフター。

バイクパッキング用のバッグ類は全て防水仕様なので、括り付けたままたっぷり洗えるのが楽だった。


車に積載するつっちーさん組と、岩見沢駅からJRを使う輪行組に分かれて現地解散。

しかし濃いイベントだったなあ……この記事を書いているのは2024年の8月、つまりほぼ1年経っているが、いまでも当日の満腹感を思い出せる。

もちろん今年もエントリー済み。公式サイトによると満員御礼で今年のエントリーは終了とのこと。


どんなコースでどんな食を楽しめるんだろう、といまから楽しみ。

おわりー


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